経済成長とともに増大するPM2.5排出の削減を目指す:大気汚染改善に関する研究ワークショップをバンコクで開催

2014.08.27

JICA研究所は、8月14、15日にタイ・バンコクのアジア工科大学(AIT)で、バンコクにおける微小粒子状物質(PM2.5)の計測と分析に関する課題について話し合うワークショップを開催しました。

近年、急速な経済成長を遂げるアジア諸国では、大気汚染対策が喫緊の課題となっています。中でも、PM2.5などは心肺機能等健康への影響が懸念されている上、国境を越えて拡散しやすい物質であるため、その対策に高い注目が集まっています。

JICA研究所は、タイや中国を中心とした海外研究者と連携し、アジア諸国における急速な経済成長と都市化に伴い排出が増加しているPM2.5について排出状況とその要因を分析し、大気環境改善政策を検討する研究「アジアの都市大気環境改善の方策に関する研究」を開始しました。具体的には、バンコクでPM2.5の通年観測を実施し、その原因物質の特定を行い、排出削減のための政策提言を行う予定です。

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須藤主任研究員(中央)

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成田研究員

このワークショップには、研究所から須藤智徳主任研究員、成田大樹研究員、原田幸憲研究助手が参加し、アジア工科大学(AIT)やタイ国内研究機関の研究者、日本環境衛生センター アジア大気汚染研究センター(ACAP)の秋元肇所長のほか、タイ政府とバンコク都の大気汚染政策関係者など約20名が参加しました。

タイ側参加者からは、タイ国内におけるPM2.5の通年観測は開始されたばかりであり、排出状況や要因の詳細な分析はこれまで行われていないことから、今回の研究による通年観測と原因物質の分析がPM2.5の排出を削減するための具体的な政策へと結びつくことへの高い期待が示されました。須藤主任研究員は、「本研究の成果はバンコク国内のPM2.5排出削減に寄与するだけでなく、アジア地域におけるPM2.5排出削減政策の進展にも寄与することが期待される」と本研究の重要性を指摘しました。

開催情報

開催日時:2014年8月14日(木)~2014年8月15日(金)
開催場所:バンコク、Asia Institute of Technology

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