田中明彦JICA理事長のワーキングペーパーがUNDPのウェブサイトで紹介

2015.06.12

田中明彦JICA理事長が2015年3月に発表したJICA研究所のワーキングペーパー(論文)「Toward a Theory of Human Security(人間の安全保障: 学際的理論枠組みの構築に向けて)」が、国連開発計画(UNDP)のウェブサイト「HDialogue」で紹介されました。

HDialogue は、人間開発報告書を担当する国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書室が運営するブログで、オピニオンリーダーや政策決定者、メディア関係者、専門家、学生らを対象としており、掲載内容はフェイスブックやツイッター、メールマガジンでも広く紹介されています。

UNDP によれば、人間開発とは、「人々が各自の可能性を十全に開花させ、それぞれの必要と関心に応じて生産的かつ創造的な人生を開拓できるような環境を創出すること」であり、「経済成長は、開発にとって重要ではあるものの、人々の選択肢を拡大するための一つの手段にしかすぎない」とされます。人間開発報告書は、人間中心の開発を普及・推進することを目的に、1990年に創刊されて以来、革新的な分析手法や開発思想を提唱しており、国際開発の分野で最も大きな影響力を持つ報告書の一つです。

フィリピン・タクロバンの住民

2013年11月の台風ヨランダで被災した
フィリピン・タクロバンの住民
(写真提供:谷本美加/JICA)

田中理事長は、2012年5月以来、人間開発報告書のアドバイザリー・パネルのメンバーを務めています。

田中理事長のワーキングペーパーは、人間の安全保障の理論的概念を中心的に論じています。「貧困と絶望から免れ、自由と尊厳のもとに生きる権利」という国連決議のような広義の定義の有用性を指摘しながら、人間の安全保障のさまざまな側面を体系的に検討する学際的理論枠組みとして、(1)人間の安全保障への脅威の発生システム(物理、生命、社会)に基づく分類、(2)人間の安全保障への脅威発生の因果関係、(3)脅威対応への手段、(4)人間の安全保障確保のための主体の問題-を提示しています。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
トピックス一覧

RECOMMENDこの記事と同じタグのコンテンツ