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ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのグローバルヘルス外交政策についてシンポジウムで発表ー牧本上席研究員

2018.12.25

2018年11月23日、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科とソウル国立大学行政大学院国際開発評価センター(Center for International Development & Evaluation: CIDE)の共催、JICA開発大学院連携事業の後援による国際シンポジウム「Development Cooperation and Evaluation(開発協力と評価)」が早稲田大学で開催され、JICA研究所の牧本小枝上席研究員が登壇しました。

UHCについて発表したJICA研究所の牧本小枝上席研究員(右から4人目)

同シンポジウムは、両大学がODA研究や評価の研究交流を促進する一環として両国で相互に開催され、今回が3回目。日韓の教育分野の成功経験を他国へ展開する意義、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の意義と日韓経験を踏まえた留意、韓国国際協力団(KOICA)との現場での協力強化、インパクト評価手法の有用性と課題などについて議論が行われました。

牧本上席研究員は、早稲田大学の勝間靖教授と共に「Global Health Diplomacy for the Universal Health Coverage(UHCのグローバルヘルス外交政策)」と題して発表。「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを支払い可能な費用で受けられる」ことを目指すUHCは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)のゴール3(健康と福祉)の中でも達成が掲げられていると述べました。

また、JICAによるUHCに対する取り組みを紹介し、被援助国のUHC達成に向けた保健システムの強化を最優先に、母子保健の向上や感染症予防に取り組んでいるほか、生活習慣病などの新たな課題にはBOPビジネスと日本の保健技術を活用している事例などを挙げました。さらに、JICAは“オールジャパン”の一員として、2016年5月のG7伊勢志摩サミットや同年8月にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)などの国際会議でUHCの積極的な発信に努めたことや、2017年12月には世界銀行、WHO、UNICEF、日本政府などと共にUHCフォーラム2017を東京で共催したことなどを紹介しました。

最後に、牧本上席研究員は、Think 20(T20)サミットでの政策提言についても説明。T20はG20のエンゲージメント・グループの一つで、シンクタンクや研究者がG20への政策提言を行うものです。2019年のG20が日本で開催されるのに併せてT20も日本で開催されるため、10の政策分野でタスクフォースが立ち上げられました。JICA 研究所は、タスクフォース1「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」とタスクフォース5「アフリカとの協力」の共同議長を務めます。タスクフォース1に含まれるUHCについては、牧本上席研究員を中心に、政策提言に向けた議論を進めていきます。

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