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「持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム2023」公式サイドイベントに峯研究所長と北村客員研究員が登壇

2023.07.20

2023年7月10~19日に国連本部にて開催された「持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(High‒level political forum on sustainable development: HLPF)2023」 において、公式サイドイベント「Ensuring Education Continuity: The Roles of Education in Emergencies, Protracted Crises, and Building Peace」に、 JICA緒方貞子平和開発研究所(JICA 緒方研究所)の峯陽一研究所長 北村友人客員研究員(東京大学大学院教育学研究科) が登壇しました。本サイドイベントは国際連合日本政府代表部が企画し、JICA緒方研究所は、他の政府や国際機関、市民社会組織と共催しました。

ICA緒方研究所が HLPF公式サイドイベントを共催

JICA緒方研究所が HLPF公式サイドイベントを共催

人間の安全保障と危機下の教育

峯研究所長は導入として、パネルディスカッションの冒頭にスピーチを行いました。故緒方貞子氏の発言を引きつつ、「政策立案や研究は現場の緊急なニーズを基に作られるべきであり、困窮した人々とともに解決策を見つけるべき」と述べ、以下の内容にも言及しました。

・人間の安全保障は、人々の選択力を強化し、人々の生命、生活、尊厳を守ることである。
・学校内外の教育活動は危機時に重要。JICAは他機関・団体と協力し協力活動を続け、シリアの若者やウクライナの教育を支援している。アフガニスタンの教育にも取り組んできたが、問題は深刻である。
・複合的な危機の時代に、人々の教育権利の保障は急務だが、一方的な慈善ではなく主体性を尊重すべき。社会的に脆弱な立場に置かれた人々が自信を持てるようにすることが必要である。

最後に峯研究所長は、「私たちは草の根レベルで人々の声に耳を傾け、ボトムアップで政策の枠組みを構築する義務がある」という言葉でスピーチを締めくくりました。

パネルディスカッションでJICA 緒方研究所の峯陽一研究所長がスピーチ

さまざまなアクターによる危機下において教育を継続する取り組み

パネルディスカッションでは、北村客員研究員がモデレーターを務め、危機下において教育を継続する取り組みについて登壇者の間で議論を行いました。南スーダンやナイジェリア、アフガニスタン、ウガンダなどにおいて、教育を継続する上で紛争だけでなく新型コロナウイルス感染症という異なる危機があったこと、紛争予防の観点でも教育が重要であること、そして、社会と経済の回復のために教育が基礎となることが強調されました。

また、女性や難民といった脆弱な立場の人々の教育の機会が制限される現状が報告されました。Global Partnership for Education、Education Cannot Wait、UNESCO、UNICEF、UNHCRの登壇者からは、世界中で発生しているさまざまな危機により多くの子どもたちが教育にアクセスできない状況を踏まえ、危機下の教育支援として、デジタル技術といった新たなツールや、心理社会支援アプローチを用いた取り組みが紹介されました。

さまざまな危機が連鎖し、長期化する複合危機において教育を継続することの意義と方策について活発な議論が交わされました。

本サイドイベントは、UN Web TVからご覧いただけます。当日の様子をぜひ、以下の動画でご覧ください。

紛争下での教育に関するJICAの取り組み

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