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研究報告書「A Human Security Perspective on Information Access and Use During the COVID-19 Pandemic」

  • #書籍および報告書

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2020年から続く新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行は、人間の安全保障上の脅威をいくつも浮き彫りにし、私たちはいまだにその脅威にさらされ続けています。国内外で急速に感染が拡大したコロナは、既存の社会的・経済的な課題をさらに悪化させながら、地球規模の脅威になりました。さらに、この感染症の不確実で予測不可能な性質が人々に恐怖心と不安感を抱かせ、コミュニティー内の脆弱性と不安定さを増大させています。こうした制約や課題がある中で、信頼できる情報にアクセスし、パンデミックについて常に情報を得ることは誰もが取り組まなければならない重要な人間の安全保障上の課題です。

本報告書は、2020年に日本の4つの県で行われたオンライン調査の結果について詳述しています。この調査の目的は、人々が危機に際して情報を求める行動と人間の安全保障との接点を示すことで、コロナのパンデミック下での人々の情報探索行動を理解することです。本報告書では、人間の安全保障の視点から、危機や緊急事態時の人々の情報探索行動を分析し、以下の3つの点に着目しています。

1)危機下で情報に基づいた意思決定をする際に、情報源は重要なツールとなる。
2)情報探索の必要性とアクセスは、社会人口学的な性質といった多様な要素に影響を受ける。
3)危機に関する情報へのアクセスはリスクを認識するレベルに影響を与える。

この定性的研究は、人間の安全保障、リスク情報、コロナに関連した文献レビューと新しい研究を組み合わせたもので、「情報は危機下では不可欠なリソース」と主張しています。情報の形態、情報の有無、情報の質は、危機に立ち向かう際の人々の安心感に影響を与えます。だからこそ、リスクに関する情報へのアクセスは、人間の安全保障を確保する上で不可欠な要素なのです。人々に保護を提供するアクターからの情報は、人々が抱えるさまざまな懸念に答えを示せると同時に、安全を守るためのコロナ対策に従ったりコロナワクチンの接種を検討したりと、人々が情報に基づいて意思決定することを可能にします。

キーワード:コロナパンデミック、人間の安全保障、危機情報探索、リスク情報、リスクコミュニケーション

著者
リセット・ロビレス、 戸谷 知尋、 竹内 海人
発行年月
2021年6月
言語
英語
ページ
33ページ
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #人間の安全保障
研究領域
平和構築と人道支援
研究プロジェクト