『Governance of Natural Resources: Uncovering the Social Purpose of Materials in Nature』
JICA緒方研究所について
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JICA研究所の環境と開発研究領域の「資源ガバナンスと利害協調」研究プロジェクト(終了案件)の成果を基にした書籍『Governance of Natural Resources: Uncovering and the Social Purpose of Materials in Nature』が、国連大学出版局より、この8月に発刊されました。
東京大学東洋文化研究所の佐藤仁准教授(当時、客員研究員)が代表を務めた本研究プロジェクトは、アジアやアフリカの開発途上国における天然資源の管理と社会構造の関係を分析し、日本の環境分野における開発援助の取り組み方を提示する目的で実施されました。途上国が貧しい段階から経済力をつけていく過程で、資源、環境のガバナンスの諸制度がどのように形成され、その過程で政府、企業、一般市民が果たす役割の変化について現地調査をベースに考察しています。
事例対象地域は、カンボジア、タイ、中国、フィリピン、ザンビアなどにおよび、セクターも鉱物から森林、大気まで実に多様です。世界各地で、自然が「資源になる」過程で生じる政治的な問題と、それに対する政策的な対処のあり方を提示しています。また、日本については「課題先進国」として、今後、途上国で生じることが予想される問題の考察に焦点を当てています。天然資源をめぐって、さまざまなアクターは、どのような条件のもとで協力関係を構築し、また互いに競合するのか。水や土地、きれいな空気をめぐる争いが激化することが予想される中、開発援助関係者が考えるべき問題が満載です。
対象読者としては、開発に直接携わる実務家や研究者を念頭においていますが資源・環境問題に強い関心を持つ読者や環境管理を専攻とする大学院レベルの読者にも参考資料として役立つことを望んでいます。
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