『大災害に立ち向かう世界と日本 —災害と国際協力—』
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
東日本大震災が発生してから2年を迎えるにあたり、JICAは、災害支援や防災への取り組みについて国際協力の観点から考察した書籍『大災害に立ち向かう世界と日本 -災害と国際協力-』を発刊しました。
災害大国といわれる日本では災害に関する知識や経験をまとめた著作物が数多く刊行されています。しかし災害をめぐって行われる国際協力という観点から、国際社会でどのような議論が行われ、ルールや協調のしくみが作られてきたか、また具体的にどのような支援が行われているかを体系的に整理した書籍は必ずしも多くありません。本書は、そのような欠落を補うことを目的に制作されたものです。日ごろから、災害緊急援助や防災、復旧・復興を含むリスク軽減のための活動に取り組んでいるJICAが中心となり、国内の有識者や研究者のお力添えも得ながら、これまでに蓄積した知識と経験を活用して、国際的視点から情報をまとめ、歴史を振り返り、現場の情報を盛り込んだ書籍を刊行するに至りました。
そのような目的をもってJICA研究所内に組織された「大災害と国際協力」研究会の研究成果としてまとめられたのが本書です。同研究会のもとで、日頃災害に関連した諸問題に実務者として携わってきたJCA職員、国際協力専門員、それに国内有識者や研究者が参加して共同執筆にあたりました。研究会のとりまとめはJICAの加藤宏上級審議役がつとめ、書籍全体の編集は、かつてJICA緊急援助隊事務局長を務めた柳沢香枝:東・中央アジア部長が行いました。国連事務局で緊急人道援助の総括と調整役を経験した元国連事務次長である、明石康氏(国際文化会館理事長)と大島賢三氏(元JICA顧問)に共同監修をお願いしました。
すでに災害対策に携わっておられる方々やこれから災害対策やそれにまつわる国際協力に携わろうとされる方々にも参考となるよう、まとめられています。広く国際問題や国際協力に関心を持っておられる読者にも興味深いものとなっています。そして、今後の災害支援・防災・減災への取り組みを考える上で有効な資料になるとともに、この分野における研究の進化や実務の効率に大きく貢献することが期待されます。
本書は、佐伯印刷株式会社のウェブサイトほか、書店、主要オンラインブックストアにてご購入いただけます。
●Contents
序章 21世紀:増え続ける激甚災害
第1章 大災害発生:その時世界はどう反応したのか
第2章 大規模災害に対する救助活動と国際社会
第3章 救援から復旧・復興へ
第4章 将来の災害への備え(防災)と国際社会
第5章 世界の大災害に対する日本の貢献
第6章 原子力事故と国際協力
終章 災害対応の主流化に向けて
scroll