No.11 What Drives Implementation of City-Level Climate Action? Case Studies of Climate Change Action Plan at the Local Level in Ho Chi Minh City and Hai Phong City of Vietnam

  • #ディスカッション・ペーパー

パリ協定の下、気候変動対策の実施主体としてノンステートアクターの役割に対する認識が高まる中、本研究は、開発途上国都市の役割に焦点を当てたものである。本研究では、先行研究がこれまで着目してきた気候変動行動計画の策定プロセスの側面を超えて、都市レベルの同計画の実施を促進する要因を明らかにすることを目的としている。そのため、ベトナムの先駆的な2都市、ホーチミン市とハイフォン市の気候変動行動計画(CCAP)を選定し、CCAPに記載される施策の予算執行状況を中心に実施状況を把握した。その結果、両都市の実施状況は大きく異なることが判明した。この結果をもたらす要因を明らかにするため、関連する先行研究とベトナムの文脈を勘案して策定した仮説を、実証的な証拠をもって検証した。その結果、本研究が同定した7つの要因のうち、施策の具体性やコベネフィットなどで表される施策の性質、首長のコミットメント、地方政府の組織・制度的能力が、計画の実施を促進する重要な要因であることが判明した。この結果を踏まえて、ベトナムにおいて実施ギャップを埋めるための国際的支援や国内対応のあり方を併せて議論した。

キーワード: 都市、都市の気候変動行動計画、実施の推進要因、予算、コベネフィット、実効性、ベトナム、パリ協定

著者
福田 幸司、 赤木 純子、 加藤 真
発行年月
2023年7月
言語
英語
ページ
37
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #気候変動対策
研究領域
地球環境
研究プロジェクト