No.29 Zambia’s Media Perspective on China, the US, Japan, and South Africa: Comparative Exploration through Private Online Media
JICA緒方研究所について
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本稿は、ザンビアの民間オンライン・メディアが、同国と中国、日本、米国、南アフリカとの二国間関係をどのように捉え報道しているか、その内容と論調を比較検証したものである。分析の結果、四カ国に関する報道内容には共通点があり、それは、南部アフリカの貿易ハブとなる国家の目標を達成するため、経済成長を後押しし、地域の連結性強化に貢献し得る直接投資をいかにして誘致するかという点である。また、各四カ国との間で、現地メディアが重視する開発課題には特徴があり、中国との間では債務再編、日本に対しては投資の期待、米国との間では性的マイノリティの人権問題、南アフリカに対しては貿易関係の一層の強化という分野に高い関心が向けられていた。本研究は、分析の対象がメディアの報道内容であることから、考察に一定の限界がある点を踏まえたうえで、今日の国際社会において、小国が大国に対し発揮しようとする自律性の理解を深めるにあたり、現地メディアの言説に着目することの有用性を示唆するものである。
キーワード: 自律性、二国間関係、開発、投資、オンライン・メディア
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