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No.6 Toward Quality Upgrading of Rice Production in SSA: Experimental Evidence from Northern Ghana

  • #ディスカッション・ペーパー

サハラ以南アフリカ(SSA)では、成長する都市の市場において国産米が輸入米に対抗できないため、国産精米の品質向上は喫緊の課題となっている。過去の研究では、精米施設の不備が国産米の品質が低いことの主要因であると考えられていた。SSAには最近になり近代的な精米施設が建設されているが、そこで精米された米の品質は必ずしも輸入米と競争できるものではない。したがって、精米の原料となる籾米の品質を向上させることが、SSAにおける重要な課題として残されている。この問題に関する我々の仮説は、籾の品質とその価格との関係についてコメ農家が十分に理解していないことが、低品質の籾の生産が続いている原因であるというものである。この仮説を検証するために、ガーナ北部でフィールド実験を行った。108の村を無作為に選択し、各村から10人のコメ生産者を無作為に選んだ。108の村から半数の54か村を無作為に選び処理村とした。処理村では、籾米の品質を向上させる技術や市場における品質評価に使われる品質パラメータについて農家に情報を提供した。介入前後に収集したデータを用いた分析の結果、介入は農家がいくつかの品質向上技術の採用に有意な影響を与えたことがわかった。さらに、介入は農民の行動に重要な変化をもたらした。すなわち、介入を受けた農民は対照農民と比べて香り米を村外で販売する傾向が強く、その販売価格も高かった。このように、籾の品質および品質に基づく価格設定に関する情報を提供することで、農家の籾の生産と販売を改善したと結論づけられる。技術的な訓練を伴わない低コストの介入であったにもかかわらず、十分に望ましい成果が得られたという点は特筆に値する。

キーワード:コメ、無作為化比較試験、品質向上、価格、ガーナ

著者
小倉 達也、 Joseph A. Awuni、 櫻井 武司
発行年月
2023年3月
言語
英語
ページ
29ページ
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト