No.19 小国と大国の間で変容する二国間関係 -インド太平洋地域の小国が発展させた第三の戦略-
JICA緒方研究所について
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インド太平洋地域は、中国の台頭を受け、大国間競争の舞台として注目され続けており、他の大国が、政治的また経済的関与を重視することで、同地域に属する小国の地政学的重要性も高まった。複数の大国がひしめき合う中、インド太平洋諸国は、自国の安全と発展のため、これら大国との二国間関係をどのように構築しようとしているのだろうか。本稿は、小国の対大国政策が、伝統的な「順応」や「抵抗」から「自律」の戦略へと発展してきた過程を先行研究に基づき概観する。そこでの議論の展開を整理し、自律のためのヘッジング戦略とは何かを明らかにしながら、今後日本が小国に対しとるべき戦略上、重要となる視点を提示する。なお、本稿が対象とする「小国」とは、国際政治における「大国 (big power)」に対し、国力において非対称的な立場に立つ「小国(small power)」という意味合いである。
研究領域:政治・ガバナンス
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