Impact of Hospital Closure on Patients with Communicable and Non-Communicable Diseases During the COVID-19 Pandemic in Uganda: A Cross-Sectional and Mixed-Methods Study
JICA緒方研究所について
JICA緒方研究所について
本研究では、2年間にわたり新型コロナウイルス感染症専用病院に転換されたウガンダの三次病院であるエンテベ州病院でのサービス中断の影響を研究しました。本研究では定量と定性を組み合わせる混合研究法が用いられ、エンテベ州病院の結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、糖尿病/高血圧、精神疾患の患者を対象としました。定量研究では、構造化されたアンケートが使用され、医療の中断による影響が主な評価項目となりました。定性研究では、8人の患者に対してフォーカスグループディスカッションが実施されました。定量研究の参加者202人のうち、エンテベ州病院のサービス中断によって必要なケアへのアクセスができなくなった人は17.8%でした。医療ケア中断率は疾患によって異なり、結核患者が48.1%、HIV患者が16.0%、糖尿病/高血圧の患者が7.8%、精神疾患の患者が4.0%でした(P < 0.001)。患者のほぼ90%が、健康状態が悪化したと報告しました。30歳以下の層では、50歳以上の層に比べて、本来受けるべき医療サービスの受診を中断した人の割合が3.15倍高い結果となりました。またフォーカスグループディスカッションでは、エンテベ州病院がアウトリーチサービスを提供したにもかかわらず、医薬品の入手が困難になっており、その傾向は特に結核患者で顕著でした。本研究により、エンテベ州病院のサービス中断とロックダウンが医療サービスへのアクセスと健康状態に深刻な悪影響を及ぼしたことが明らかになりました。最も大きく影響を受けたのは、年齢の若い患者と結核患者でした。本研究は、政策立案者に対する現場からの提言として、ウガンダや他のサブサハラ諸国での健康危機に際し、普遍的な医療へのアクセスを強化する必要があることを示しています。
scroll