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The Impact of Urban Piped Water Network on Water Use: Evidence from Mandalay

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多くの低中所得国の都市部では、水の需要が激増しています。配管給水施設を設置することで、安全な水の供給が可能になり、水への普遍的アクセスの達成へと近づきます。本研究は、ミャンマーのマンダレー市内に都市配管給水施設を設置したことにより、水の利用にどのような短期的な影響が生じたかを検証したものです。

準実験的な環境で収集した世帯レベルのデータセットを使用し、差分の差分法による検証を行いました。その結果、第一に、配管給水施設が設置された地区内の世帯では、特に裕福な層の世帯で水の使用総量と水への合計支出額が増加したことが分かりました。第二に、家庭では主に飲用以外の目的で、私設井戸の水よりも新設された水道水が利用されるようになりました。水汲み時間の短縮という利点が、水道水のコストの高さを上回ったためです。第三に、貧困層の世帯ではボトル入り飲料水への支出額が減少しましたが、他のグループでは水道水の塩素による臭味のため、同様の結果は見られませんでした。これらの研究結果は、世帯の社会経済的地位によって配管給水施設の影響が異なることを示しており、安全な水へのアクセスにおける不平等に対処する政策の必要性を明らかにしています。

著者
島村 靖治、 清水谷 諭、 浅岡 浩章
発行年月
2024年10月
出版社
名古屋大学大学院国際開発研究科ディスカッションペーパー
言語
英語
ページ
33
関連地域
  • #アジア
開発課題
  • #水資源
  • #都市開発・地域開発
研究領域
経済成長と貧困削減
研究プロジェクト