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Developing Collective Impact to Improve Foundational Learning: Evidence from Madagascar

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深刻な学習の危機にあるアフリカでは、子ども達の読み書き・計算の学習改善が優先的な政策課題の一つです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による学校閉鎖後、マダガスカル教育省は、「Teaching at the Right Level(TaRL)」と呼ばれる、読み書き・計算にかかる教授法研修の普及を開始しました。本研修は、学校運営委員会の能力強化を通じ、学校と地域の協働により補習活動を展開するための介入の一部です。

本研究では、これら介入がマダガスカルで対象地域を段階的に広げながら普及が進んだことを背景とし、隣接する県境付近の学校を調査対象として介入効果を差の差分析により推定しました。本研究の第1年次には、これら介入により、文字を読めなかったレベルからマダガスカル語で書かれた単語を読めるレベルに達した児童の割合が増加しました。また、本研究の第2年次には、数と計算の学習成果が標準偏差0.39改善されました。介入の試行段階と普及段階を比較したところ、少なくとも読みについては1.4倍、計算では1.7倍、費用対効果が向上しました。マダガスカルにおけるアクターの協働体制の構築は、学習の危機に対処する上でのコレクティブ・インパクトを確立する戦略を示しています。

著者
丸山 隆央、 伊芸 研吾
発行年月
2025年7月
出版社
Taylor & Francis
掲載誌
The Journal of Development Studies
言語
英語
ページ
25
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #教育
研究領域
人間開発
DOI
https://doi.org/10.1080/00220388.2025.2525849