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Enhancing agricultural intensification through contract farming: evidence from rice production in Senegal

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背景

農業の生産量と生産性を向上するには、農業の集約化が重要です。特に、急速な人口増加、農業生産性の低さ、食糧不安に直面する開発途上国では、農業の生産性を高めて増え続ける人口への食糧供給を確保するために集約化が不可欠です。しかし開発途上国では、市場の欠如や不完全性、公的機関の脆弱さなどの制約により、依然として集約化が進んでいません。契約栽培(contract farming)制度は、こうした制約に対処することができるため、農業集約化に寄与する可能性があります。しかし、契約栽培が農業集約化にどう貢献するかについては、十分な調査はなされていません。本研究では、セネガルの稲作において契約栽培が農業集約化に果たす役割を探ります。

方法

肥料の使用、肥料への支出、米の品種改良、トラクターの使用といった指標から、契約栽培が農業集約化に与える影響を評価するため、高頻度のアンバランスパネルデータを使用しました。契約栽培への参加に関連する時不変性の観測されない異質性に対処するため、相関ランダム効果モデルを評価します。

結果

本研究結果により、契約栽培は、肥料の使用、肥料への支出、トラクターの使用との間に正の相関関係があることが示され、契約栽培が農業集約化に寄与することが示唆されました。

結論および政策上の意味

契約栽培制度は、開発途上国で農業集約化を促進する上で重要な役割を果たす可能性があります。特に開発途上国の政策立案者は、契約栽培の潜在力を活用して農業集約化を推進し、農業セクターの改革を実施できます。ただし、集約化による環境への悪影響を考慮し、持続可能な集約化を促進するため、より適切に設計する必要があります。

著者
Francis E. Ndip、 櫻井 武司
発行年月
2025年5月
掲載誌
Agriculture & Food Security
言語
英語
ページ
13
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #農業開発・農村開発
研究領域
開発協力戦略
DOI
https://doi.org/10.1186/s40066-025-00525-4
研究プロジェクト