Improved access to safe water: effects on adult health and time allocation in rural Zambia
JICA緒方研究所について
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本論文は、ザンビアの農村部に新設された深井戸による安全な水へのアクセス改善が、成人の健康と時間の使い方にどのような短期的影響を及ぼしたかを調査したものです。疑似実験の状況下で収集したデータを用いて、差分の差分分析を行いました。
安全な水へのアクセスが改善された結果、労働年齢層の成人における下痢の発生率が低下し、下痢によって日常生活が制限される日数も減少しました。ただし、こうした健康改善による経済的利益は限定的でした。
時間配分に関しては、安全な水へのアクセス向上により、成人女性が水を使った家事に費やす時間が減少しました。一方で、収入を得る活動に充てる時間には、統計的に有意な増加は見られませんでした。得られた時間的余裕は主に余暇に充てられていると考えられ、特にこの傾向は新設された深井戸の近隣に住む女性において顕著でした。
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