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No.20 開発を学ぶ、伝える ―翻訳的適応からみた日本の産業開発と開発協力の経験―

  • #ポリシー・ノート
  • 日本は「開発を学ぶ側」と「伝える側」の双方を経験し、その発展の特徴として、外国モデルを自国文脈に合わせて主体的に修正・内在化する「翻訳的適応」がある。このプロセスは①学習、②適応・内部化、③普及の3段階からなり、政策学習と社会的学習を両輪とする内発的学習を効果的にするうえで重要である。
  • 途上国が産業開発を進めるうえで重要な点は、他国の経験を参照しつつ現実的な工業化ビジョンを形成し、水平・垂直的政策を組み合わせ、産官学連携により企業・人材の能力を高めることである。その際、翻訳的適応アプローチが鍵となり、適切なベンチマーク国の選定や国際比較を通じ、自国固有の条件と成功要素を見極め、主体的に試行錯誤する学習方法を学ぶ必要がある。
  • 日本の産業開発協力には、実体経済や個別産業への着目、現場重視のハンズオン支援などの特徴があり、各国固有の「中身」に寄り添い、プロセス志向を重視する翻訳的適応と親和性がある。
  • 工業化をめぐる環境は変化しているが、政府・企業・人材の能力強化や内発的学習の重要性は変わらず、翻訳的適応は今後も有効な視座である。日本は「成熟した」パートナーとして、①知識協力の拡充、②共創型協力の推進、③知日人材ネットワークやプラットフォームの強化を通じ、産業開発協力を高度化する必要がある。
著者
大野 泉、 山田 実、 天津 邦明、 神 公明、 森 純一
発行年月
2026年4月
ページ
9ページ
関連地域
  • #アジア
  • #中南米
  • #アフリカ
開発課題
  • #教育
  • #民間セクター開発
  • #日本の開発協力
研究領域
開発協力戦略
研究プロジェクト