No.6 The Identity and Networks of Uchinanchu in the 7th Worldwide Uchinanchu Festival-Based on the Survey on Festival Participants ―
JICA緒方研究所について
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沖縄県では、世界中の沖縄県系人が母県に集う「世界のウチナーンチュ大会」が開催されている。本研究は、第7回世界のウチナーンチュ大会における調査から、大会参加者の特徴を記述するとともに、大会のキーコンセプトである沖縄県系人のアイデンティティと大会を通じたウチナーネットワークの発展・拡大について検討することを主目的とした。コロナ禍の2022年10月30日~11月3日に開催された第7回世界のウチナーンチュ大会において、大会参加者を対象とする質問紙調査を実施した。有効回答として、海外参加者257名、県外参加者65名、県内参加者343名の計665名から回答を得た。大会参加者の特徴として、米国からの参加者が多く、移民世代としては3世が多かった。参加目的としては、世界のウチナーンチュとの交流や沖縄県民との交流など、交流が大きな目的となっていたが、大会を通じた新たなウチナーネットワークについてはほとんど構築されていなかった。アイデンティティについては、海外・県外・県内いずれの参加者も沖縄アイデンティティが高かった。海外参加者のアイデンティティについては、世代を超えて沖縄アイデンティティが高かったが、世代によるアイデンティティの構造の違いも見られた。特に現在の移民世代の中心である3世以降において、ハイブリッドアイデンティティの特徴が見られた。また地域差として、ハワイでは移住地アイデンティティが高く、南米では沖縄・移住地・ニッケイの3つのアイデンティティが高かった。
キーワード: ウチナーンチュ、沖縄、アイデンティティ、ネットワーク、エスニシティ、移民
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