No.69 Inter-Ethnic Hostility and Mobility of Political Power: Changing Influences of Perceived Horizontal Inequalities

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本稿は求心主義的制度が適切に機能するためには対処する必要のある民族間敵意の起源を明らかにすることにある。民族投票する意思を指標として、社会心理学から援用した集団間差別の起源に関する主要な諸仮説を、サブサハラ・アフリカ6か国の14都市で行った意識調査に基づいて検証する。分析の結果、いわゆる「水平的不平等」は、それが有利に認識されている場合も不利に認識されている場合でも、実際に民族間敵意のレベルを上げているが、この効果は文脈(所属する民族が10%以下のマイノリティか否か、国レベルで複数政党制選挙が導入されてから実際に政権交代ないし権力分有を経験しているか否か)に依存していることが判明する。具体的には、社会経済的に有利に感じている民族が他民族を敵視する傾向はマイノリティには該当しないこと、そして、水平的不平等の認識が民族間敵意を助長する関係性自体が、政権交代や権力分有が行われた国では見られないことが明らかにされる。

著者
三上 了
発行年月
2014年3月
関連地域
  • #アフリカ
開発課題
  • #平和構築
研究領域
平和構築と人道支援
研究プロジェクト