実施中プロジェクト
近年、特に開発途上国で、教育へのアクセスに顕著な進歩が見られます。しかし同時に、世界各地で起こっている紛争により、こうした進歩が脅かされています。紛争によってインフラは破壊され、生徒や教師たちは避難を強いられ、人命が奪われます。また、学校の閉鎖や学習の遅れといった悪影響を子どもたちに及ぼします。
2020年11月に始まり、2022年11月の停戦により終結したエチオピアのティグライでの紛争は、同国史上最も壊滅的な被害をもたらしました。あらゆるインフラが破壊され、人々の生活は大きな打撃を受けました。教育セクターは紛争による被害が最も大きかったセクターの一つで、ティグライの子どもたち全員が2年間にわたり学校教育を受けることができませんでした。紛争により、教育の質と教育へのアクセスの面でさまざまな問題が発生し、子どもたちにはトラウマと精神的苦痛も広まっています。さらに、紛争後のティグライでは深刻な干ばつが発生しました。近年のエルニーニョ現象による影響が、この地域の世帯の生活状況を脅かしています。 こうした2つのショックが重なることで、一般市民に持続的な影響が生じるなど、大きな傷跡が残る可能性があります。その中でも子どもたちの学力への影響が懸念されます。
本研究プロジェクトでは、世帯調査を通じて収集したデータに基づき、エチオピアのティグライ地域での紛争とその後の干ばつが、子どもたちのウェルビーイングと教育成果に与えた影響を分析します。
- 研究領域
- 経済成長と貧困削減
- 研究期間
- 2024年08月30日 から 2027年03月31日
- 主査
- 原田 徹也
- JICA緒方研究所所属の研究者
- テクレハイマノト・ソロモン・ハディス
- 関連地域
-
- 開発課題
-
scroll