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誰も取り残さない防災プロジェクト-在住外国人の防災力強化と多文化共生-イベント第3弾「外国籍従業員とその企業向けオンライン防災研修」

2022年3月31日

JICA関西は、日本での在住者が急増しているベトナム人の防災力向上を目的に、在住ベトナム人の防災リーダー育成を行っています。
2020年12月、2021年3月に実施したイベントに引き続き、今回は日本で企業に勤務するベトナム人従業員を対象に防災研修を実施しました。
今回の研修は、多数のベトナム人社員・実習生を有する株式会社鶴見製作所の協力のもと、同社京都工場において対面で実施し、その様子をオンラインで同時配信するハイブリッド形式で実施しました。使用言語は、講師が日本語を話し、ベトナム語の逐次通訳を行いました。
会場となる株式会社鶴見製作所京都工場に勤務するベトナム人従業員約40名、その他外国籍従業員を雇用する企業や自治体、国際交流協会など在住外国人支援に携わる団体から約60名の計約100名の方々にご参加頂きました。

今回の研修内容は、災害発生後の対応、災害前の備えを紹介する次の二つです。
・第1部:(公財)京都府国際センター 山本主任による「多言語での災害情報の見つけ方」
・第2部:NPO法人プラス・アーツ 永田理事長による「在宅避難用おすすめグッズの紹介」

多言語での災害情報の見つけ方

日本での災害情報に関する研修の様子 01

日本での災害情報に関する研修の様子 02

日本は、その位置・地形・地質・気象などの自然的条件から、地震や台風をはじめとした数多くの自然災害が発生する国です。実際に日本で災害に遭った際、どのような手段や発信者から情報を得ることが有効でしょうか。第1部の研修では、これらについて具体的な例を挙げながら災害規模についての効果的な情報収集の方法を伝えるとともに、日本では災害発生時は地域に「避難所」が設置されることや、その役割についても詳しく説明がありました。

とても熱心に研修に参加するベトナム人従業員のみなさん

参加者の皆さんもとても熱心に聞き入り、時には笑いもあり、日本での災害に備えてしっかり学んでいました。

在宅避難用おすすめグッズの紹介

新聞紙で作る紙食器のデモンストレーション

無事完成し、達成の表情

災害の種類によっては外出が困難な場合や、またコロナ禍で集団での避難所生活が難しいこともあります。
第2部の研修では、災害時に自宅で生活を送る「在宅避難」に必要な備えや日頃からの対策について、具体的なグッズ紹介も含めて詳しく説明がありました。
参加者には何度も深くうなずく様子も見られ、災害時への備えに対する理解が深まっているようでした。
また、災害時に実際の食器代わりとして役立つ紙食器の作り方について、各自新聞紙を手に講師の様子を見ながら体験していました。

参加者の声

・役に立つことを感じています。日本国にありがとうございます。
・地震の経験がないベトナム人住民に対し、どのような講義がよいのか参考になりました。
・国によって災害に対する意識の温度差は相当あり、同じメッセージでも行動への繋がり方が異なる事を懸念しますので、命の危険について(日本人も同様ですが)明確な認識を持つような情報提供、共有体制が必要になってくると痛感いたします。

今回の研修が、外国人の皆様に少しでも防災に関心を寄せていただき、日本で安心・安全に暮らす上での一助となる事を願います。

JICA関西は、在住ベトナム人防災リーダー育成の活動を、今後も行っていきます。
この取組は、在住ベトナム人のみならず、市民団体、ベトナム人を雇用する企業や関係団体、自治体、国際交流協会など様々な方と連携して進めることが重要と考えていますので、ご関心のある方は是非お問い合わせ下さい。