「地域有識者懇談会」(第3回会合)開催概要

1.日時

2017年5月31日(水)10:00〜12:00

2.場所

JICA北海道(帯広)会議室

3.出席者

  • 委員:前田正明委員、川田章博委員、奥田潔委員
  • JICA外部からの参加者:郡山彩 青年海外協力隊経験者、三品伸幸 帯広市市民活動部 親善交流課 課長、西島新一 同課 課長補佐、舛川正晃 帯広畜産大学 国際・地域連携課 課長
  • JICA:加藤宏理事、岩崎英二国内事業部審議役兼次長(計画担当)、小畑永彦JICA北海道所長、遠藤浩昭JICA北海道(帯広)代表、飯田次郎副代表、長澤秀行地域連携アドバイザー、晋川眞参事役、木村聖調査役

4.議事概要

JICAから、2017年4月から新しい中期計画期間に突入した昨今のJICAを取り巻く状況、JICA北海道(帯広)の2016年度の事業実績や2017年度の計画について報告した。また、グローバル人材育成の好事例として、ベナン共和国に青年海外協力隊として派遣された郡山彩さんから、帯広で生まれ育った経験とベナンでの経験を踏まえた今後の展望をご紹介頂いた。その後、充実化を図った館内展示コーナー(おびるっく)を見学後、引き続き意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。

(1)地方のブランド化

(委員)

  • マレーシア・ケダ州とタイ・チェンマイ県を対象に帯広商工会議所が実施中の草の根技術協力「フードバレーとかちを通じた地域ブランドとハラル対応による産業活性化および中小企業振興プロジェクト」について、特にケダ州では帯広市の取組を参考に、ケダ・フードバレー構想を州政府の政策として推進する動きがある。本構想に対しては、マレーシア政府からも予算措置を受けたと聞いており、今後の事業展開が楽しみ。チェンマイ県においても、「北の屋台」に代表される十勝の食文化のブランド化の経験を活かし、チェンマイブランドの確立を支援したい。帯広では先般、帯広チェンマイ交流協会が設立に至ったこともあり、草の根技術協力終了後も継続的な交流が期待される。

(2)企業の海外展開促進

(JICA)

  • 帯広に滞在中の研修員の週末の余暇を活用し、十勝振興局による十勝和牛の試食会を2016年度に3回実施した。こうした研修員による域内資源の評価の機会を、輸出促進に向けた地域の取り組みに活用頂きたい。

(3)グローバル人材育成

(委員)

  • 研修員学校訪問はグローバル人材育成の入り口であると感じている。帯広にJICAの拠点があることによって、地域の子どもに海外について知ってもらう機会があることは大事。
  • 研修員と会う際には、帯広はフレンドリーな感じがするとの感想を異口同音に頂く。これもJICAの拠点ができて以来、20年の蓄積の成果であり、受け入れる地域住民の心のハードルも低くなったと実感している。研修員が街中にいることに対し、最初は違和感もあっただろうが、現在はその光景が定着している。市街地の飲食店を訪れる研修員も店員から手厚いおもてなしを受けているそう。こうしたおもてなしはJICAが地域に定着している証左である。
  • 教育現場では外国人の子どもが増えているが、JICAの拠点がある帯広の子どもを見ると、昔に比べ肌の色の違いに抵抗感がなくなった気がする。そういった意味においても、帯広にJICAがあることはありがたい。国際理解協力を推進することは、子どもたちにこうした連帯感を醸成するためにも重要。

(JICA)

  • 今回発表頂いた郡山さんに代表されるグローバル人材は、JICAにとっても地域にとっても大事だと信じている。
  • 帯広市では、小学4年生の郷土体験学習の行先にJICA帯広が追加された。対象外の学年も含め、より多くの子どもに来てほしい。

(以上)