【開催報告】「Go To ウェットランド!湿地のいきものは地球の家族」を開催しました

2月21日(日)、釧路市中央図書館において、国際交流イベント「Go To ウェットランド!湿地のいきものは地球の家族」を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、メイン会場のご入場には人数制限を設け、代わりにオンライン(Zoom)で同時配信を行いました。

2021年3月8日

釧路湿原ラムサール条約登録40周年 世界の人々と湿地について話そう

3時間目「世界の友と心をつなごう!」メイン会場である釧路市中央図書館・多目的ホールでの講演

4時間目「イラン事務所とオンラインミーティング!」イランの子どもたちに箸を使って見せる日本の子どもたち

5時間目「国際理解教材ワークショップ」オンラインでの参加型ワークショップ

釧路市中央図書館・展示会場の様子

湿原のいきものをペーパークラフトで作成!

当日は、1時間目から5時間目までの授業を用意しました。
1時間目は、「国際協力を仕事にすること」をテーマに、JICA研修監理員の齊藤健一氏、青年海外協力隊OBの佐藤英樹氏よりお話をいただきました。実は幼少期は釧路市で過ごしたという齊藤氏からは、研修における通訳や翻訳、研修員たちの日常生活のサポートなどを行う「JICA研修監理員」という仕事について、体験談や必要なスキル等をご紹介。佐藤氏はパプアニューギニアでJICA海外協力隊・村落開発普及員として活動された経験について、現地の生活の様子、ボランティア活動を通して感じたことなどを、当時の写真とともに臨場感あふれる体験談としてお話しくださいました。

2時間目は、JICAの湿地保全の取り組みの紹介として、JICA地球環境部の栗元優から講演を行いました。湿地の役割や、日本で最初にラムサール条約に登録された釧路湿原の重要性、世界の湿地保全の現状や課題等について講演。またJICAの湿地保全プロジェクトも写真や動画と共にご紹介しました。特にイランでの「アンザリ湿地環境管理プロジェクト」では、釧路湿原自然再生協議会の取り組みを参考にアンザリ湿原管理委員会の運営支援を行ったりと、釧路市のみなさまにも支えられて進んできたプロジェクトであることをご紹介しました。釧路湿原の様々な知見が国際協力の現場で活かされていることについて、ご参加の皆様にも具体的に知っていただけるきっかけとなりました。

お昼の休憩をはさみ、3時間目は釧路国際交流の会・会長の横山博子氏より記念講演をいただきました。「世界の友と心をつなごう!」と題し、25周年を迎える「釧路国際交流の会」の皆様が、姉妹湿地提携市であるオーストラリア・ポートスティーブンス市との交流やJICA研修員との交流等、これまでの国際交流の思い出を写真で振り返っていただきました。横山氏からは、「あたたかい思いやりの気持ちが私たちの原点です。釧路湿原によるご縁によって私たちの会は設立されました。釧路湿原は釧路の宝であり、これを守りながら、世界の人をウェルカムで迎えていきたいと思います」とのご発言がありました。

4時間目は、JICAイラン事務所とのオンライン交流を行いました。イランには、釧路湿原と同様にラムサール条約湿地である「アンザリ湿原」があり、湿地を通してイランと釧路市は研修事業を始めとする交流を深めてきました。はじめにイラン帰国研修員同窓会による、釧路湿原ラムサール条約登録40周年記念のお祝い動画を放映。釧路湿原を訪れ日本の取り組みを学び、現在はイランで湿地保全に取り組む方々からメッセージをいただきました。(動画はYouTubeでご覧いただけますので、ページ下部のリンクからぜひご覧ください!)イラン・日本の子どもたち同士での交流タイムでは、お互いの言葉を使って「こんにちは」「サラーム」と挨拶をしたり、それぞれ身近なところにある湿原でどのような遊びをするか?などの質問をしあって楽しみました。その他、サッカーとバスケットボールどちらが好き?という質問では、釧路市の会場ではバスケットボール派が多かったのですが、なんとイランの子どもたちは全員サッカーとのこと!釧路市のみならず道内各地・全国各地からもZoomでご参加いただき、楽しい交流の時間となりました。

5時間目は、現役中学校教員であり、現在教員長期社会体験研修にてJICA北海道(帯広)で勤務する水谷由美より、初めて「国際理解教育」を体験する先生方でもすぐに実践できる、「はじめの一歩」となるモデル授業を行いました。チャド人のハシムさんとの無人島ゲームを通して、開発途上国と私たちとの文化・価値観の違いを学び、さらにチャドの課題からSDGs(持続可能な開発目標)までを考えるきっかけとなるようなワークショップとなりました。

また、会場では、学習室1、2にて次の展示を開催しました。「湿原のいきものをペーパークラフトで作ろう」展では、実演講師として辻野正氏をお招きし、ご来場のみなさまに実際に湿地のいきものを作っていただきました。

【展示開催内容】
・湿地に関するパネル展(道東地域やその他の地域における湿地保全に関するJICA研修の紹介)
・SDGs(持続可能な開発目標)パネル展
・世界各国の民族衣装や民芸品、帽子の展示
・「湿原のいきものをペーパークラフトで作ろう」展

たくさんの方のご参加、ありがとうございました!