【JICA海外協力隊】「ボランティア 現地レポート」池田さゆりさん(ガーナ)

2023年4月26日

【画像】2022年7月より大樹町からJICA海外協力隊隊員として赴任した池田さゆりさん(根室市出身)が、派遣国であるガーナ共和国から現地の様子を伝えてくださいました。

活動を通して、健康教育の重要性を実感

巡回校での生徒の活動の様子

巡回校の同僚の方と

現在は、ボルタ州サウスダイ郡(首都アクラから車で約4時間)の小中学生に対する健康教育と布ナプキンの普及活動を実施しています。
健康教育については、主に若年妊娠や性感染症などの予防教育を、現地の先生や所属先(Ghana Education Service:日本の教育委員会のような機関)の方を巻き込んで実施しています。
布ナプキンについては、所属先や巡回校での聞き取り調査や土台づくりを行っている段階で、まだ実際に普及活動ができている段階ではありません。今後、児童生徒への布ナプキン作成授業の実施、地域の方への作成講座の実施ができたらと考えています。

貧困のため生理用品が買えず、生理期間は登校できないという児童生徒もいます。その購入費用を稼ぐため、男性と寝る選択をする女子児童生徒が珍しくなく、結果として若年妊娠を経験する生徒もいます。
健康教育を担当する先生が各校に必ずいるのですが、他の業務と兼任かつ追加の給料支給もないため、その役割が全く機能していないなんてことも多くあります。
これらの現状を少しでも改善したいと思い活動をしているのですが、英語もまともに話せない、文化も知らないというところでの難しさが多々あります。
生理が一部タブー視されていたり、女性は家庭で家事育児をするものだという共通認識があったり、それらの文化的背景をクリアすべく試行錯誤の日々です。

活動外について、気さくで優しい友人たちがいつも助けてくれるので、刺激的な日々を安心して過ごさせてもらっています。
ガーナ料理は美味しいですが、炭水化物+脂質過多のため自分の健康も守りつつ過ごしています。
実際に高血圧や糖尿病を患っている同僚や友人も多いので、健康教育の重要性を実感できる日々です。

【池田さゆりさんプロフィール】

出身地 :北海道根室市
派遣先 :ガーナ共和国 ボルタ州サウスダイ郡ペベ
配属先 :Ghana Education Service
職 種 :学校保健隊員
活動内容:児童・生徒の健康調査と分析、性教育やリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)についての啓発活動。
派遣期間:2022年7月~2024年3月(予定)