jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

フィリピンの気候変動対策強化に向けた取り組みが開始

#7 エネルギーをみんなに。
そしてクリーンに
SDGs
#13 気候変動に具体的な対策を
SDGs
#15 陸の豊かさも守ろう
SDGs

2025.09.09

国際協力機構(JICA)は、フィリピン政府の気候変動対策を支援するため、気候変動委員会(CCC:Climate Change Commission)とのパートナーシップを強化し、フィリピン政府関係者とともに活動する専門家チームの派遣を開始しました。この取り組みにより、気候変動分野における両国の協力関係のさらなる進化が期待されます。


この事業では、今後2年間にわたり、JICAはCCCと協力し、以下の2つの柱を中心に技術協力を実施します。

専門家チームは、MRVシステム、気候変動の緩和および適応の各対策、気候リスク評価、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の算定、気候ファイナンスなどの分野において国際的な知見と技術力を有しており、上記の取り組みの支援に期待が寄せられます。


専門家チームの派遣は、プロジェクトの実施期間中に、複数回にわたって行われます。初回の派遣では、CCCの各プロジェクトリーダーや幹部職員との協議を通じ活動計画を策定しました。今後の協力において、CCCと専門家チームは、現行MRVシステムの評価、改善点の特定、組織体制や気候モニタリングプロセスの強化に向けた戦略の策定等について活動を進めていきます。


この協力は、フィリピンにおけるJICAの気候変動対策に関連する支援を、より広範に補完するものと位置づけられ、フィリピン財務省(DOF:Department of Finance)との開発政策借款「気候変動対策支援プログラム」や、フィリピンエネルギー省(DOE:Department of Energy)との技術協力プロジェクト「包蔵水力データベース化支援プロジェクト」等の取り組みや活動との相乗効果が期待されます。

加えて、今後実施予定のDOFとの技術協力プロジェクト「サステナビリティと透明性枠組み強化プロジェクト」や、環境天然資源省(DENR:Department of Environment and Natural Resources)との技術協力プロジェクト「持続可能な森林管理と保全のための森林モニタリング能力強化プロジェクト」も専門家チームと連携が期待されるプロジェクトです。

さらに、JICAは研修員受入事業(長期)として「気候変動政策中核人材育成プログラム」を実施しています。本事業はパートナー国の行政官や技術者に対し、日本の知見や経験を学ぶ機会を提供することで、自国における気候変動対策分野を担う人材を育成することを目的としています。


現在、このプログラムには、CCCのカルロス・M・ボルハ(Carlos M. Borja, Jr)法務局長が参加しており、CCC代表として、またフィリピンから初めての参加者として、2025年より九州大学大学院法学研究院の修士課程に在籍しています。ボルハ局長のNDCや気候ガバナンスに関する研究は帰国後、CCCの組織的能力向上に大きく寄与することが見込まれます。


これらの取り組みを通じ、JICAとフィリピンは、日本が有する知見や技術を活用しながら協力関係を一層強化し、世界共通の課題である気候変動に対応できる政策や制度、組織体制の構築を共に進めていく予定です。

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