非感染性疾患に対応する一次的医療サービス提供能力の強化に向けて協力を開始
2026.04.13
2026年4月13日、国際協力機構(JICA)とフィリピン保健省(DOH)は、「プライマリーヘルスケアのための非感染性疾患介入パッケージプロトコル実施能力強化プロジェクト」の実施に関する協議議事録(
R/D
:Record of Discussions
)に署名しました。本技術協力プロジェクトは、高血圧や糖尿病をはじめとする、フィリピン国民に多い慢性疾患の予防および管理の改善を目的としています。
署名は、JICAフィリピン事務所馬場所長と、フィリピン側の実施機関である保健省のテオドロ・ヘルボサ保健大臣との間で交わされました。
保健省は近年、フィリピン版の「プライマリーヘルスケアのための非感染性疾患介入パッケージプロトコル」(PhilPEN) を、より包括的で、保健医療システムに統合された、科学的根拠に基づく非感染性疾患(NCD)対策プロトコルへと改訂しました。これは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の理念および現在のフィリピン人の健康ニーズにより適合させるためのものです。
本プロジェクトでは、改訂版 PhilPEN
を全国展開するとともに、バタンガス州を重点介入地域として、市町村レベルの医療施設がフィリピン健康保険公社(PhiliHealth
)のYAKAP
プログラム(予防・早期発見・継続的管理に重点を置いた全国的なプライマリーヘルスケア
強化プログラム)の認証を取得することを支援し、患者を長期的に把握・追跡し、継続的に支援できる体制の強化を図ります。
現在、フィリピンでは非感染性疾患が全死亡の約
3
分の2
を占めており、心疾患、脳卒中、糖尿病などが主な原因となっています。これらの疾患は、定期的な診察や長期にわたる治療・管理を必要としますが、多くのフィリピンの家庭にとって、プライマリーヘルスケアへのアクセスはいまだ大きな課題です。また、コミュニティの医療サービス提供者は、限られた人員の中で、保健分野のみならず他の社会セクターの業務も担い、過重な負担を抱えています。
本プロジェクトの重要性について、JICAフィリピン事務所の馬場所長は、「非感染性疾患に対する、包括的
かつ質の高い医療へ必要な時にアクセスできるようにすることは、UHC
の実現と、フィリピンの健康と福祉を守るうえで不可欠です。」と述べています。
本プロジェクトは 2026年から2030年にかけて実施され、心血管疾患患者を対象に、定期的な血圧測定、適切な治療、フォローアップの改善を促進するDOHの既存施策である「ヘルシー・ハーツ・プログラム」等を補完するものです。本プロジェクトでは、バタンガス州およびカラバルソン地域
において、最前線で働く保健医療従事者、地方保健事務所、プライマリーヘルスケア提供に携わる関係機関が直接的な裨益を受けるとともに、より多くの住民が高血圧や糖尿病の予防・モニタリング・管理に関するサービスの向上を享受することが期待されています。
本年は、日本とフィリピンの外交関係樹立70
周年にあたります。JICAは、保健システムの強化、UHCの推進、医療サービス提供の改善を目的とした包括的なパートナーシップを通じて、フィリピンの保健医療分野を支援しています。この協力は、政策、制度、人材育成から、医療施設やサービスの改善に至るまで多岐にわたり、強靱で、公平かつ人々を中心に据えた保健医療システム
の構築に貢献しています。
このイニシアティブを通じて、JICAは今後も、プライマリーヘルスケア・システムの強化、特に非感染性疾患に関する質の高い基礎的医療サービスへのアクセス拡大、そして最も脆弱な人々が直面する健康面および経済面のリスク軽減に向けた技術支援を継続していきます。これは、UHCの達成に向けたJICAの国際的な取り組みとも一致するものです。
コミュニティレベルでのプライマリーヘルスケアを拡充することにより、本プロジェクトはフィリピンの人々の健康を向上させ、特に支援を必要とする人々のために役立つ保健医療システムの構築という、より大きな目標の実現を後押しします。
案件の詳細はこちら
をご参照ください。
関連リンク:JICA and DOH Strengthen Primary Health Care Systems for Hypertension and Diabetes | Where We Work - JICA