【先生が生徒になった1日】二学期の教室で伝えたくなった、JICAでの学びとは?

東京都教育委員会が定める教員研修の一つに、校外での活動があります。その活動先として「JICA東京」を選んでくださった先生は、いったいどんな一日を過ごしたのでしょう?

2022年8月23日

「JICAを知り、JICAで知る」

講義『教育分野の国際協力』の様子。日本の協力内容を知ることを通じ「日本の教育のいい部分を見つめなおせた」「教科書の大切さを再認識した!」などの声があがりました

東京都教育委員会は、若手教員育成研修1年次(初任者)研修や中堅教諭等資質向上研修Ⅰの中で、「校外における研修」を定めています。この夏は9名の先生がJICA東京を研修先にえらんでくださりました。
研修テーマは「JICAを知り、JICAで知る」。

JICAからは、世界の現状、JICAの取り組み、教育分野での国際協力をお伝えし、またJICAで作成している教材をご紹介し、JICA東京の館内ツアーを行いました。

「先生は、持続可能な社会を作る創り手を育む存在」 

1日の最後は、先生方に「今日一番の気づき、二学期授業で取り組みたいこと」を発表いただきましたが、そこであがった声を紹介します。

1日の最後に、先生方による発表!
現職教師ならではの、具体的な授業アイデアを発表してくださりました!

「研修を受けて新しい気づきがありました。
 それは市民が、子供が、国際協力の創り手ということです。また、子供たちには途上国を『支援する国』ではなく『パートナー」として教える必要があるのではないかと考えました。」
 そう話すのは小学校で音楽を担当する教員1年目の先生。
「音楽で伝えられる『ほかの国の良さを知る』活動としては民族音楽、民謡、伝統音楽の体験があります。この時に、その楽曲の背景や歴史を教えようと思います。例えばゴスペルや戦争に使われた音楽の背景を教えることで、SDGs16(平和と公正をすべての人に)について考えるきっかけを作れると思います。」
 他にも、リサイクル用品で楽器を作る授業や、SDGs11(住み続けられるまちづくりを)に関連して「日常生活の中でどんな音が聞こえるか?嫌な音はないか?その音は必要な音なのか?」など生活の音について考える授業など、音楽を通じて持続可能な社会創りを考えるアイディアを、目を輝かせて発表くださいました。

最後は記念撮影!
2学期に向けて準備満タンの先生方!
授業アイデアが実現される日を楽しみにしております!

 今年、教職11年目となる理科の先生は、このように発表くださいました。
「今あるものを違う視点で考えること、発展させることが理科の醍醐味です。
 例えば日ごろから当たり前のように使っている水。1日に使用する水の量は?水はどこからやってくる?など『当たり前』を問い直していきたいです。その中で、JICAの水を扱った映像教材も使いながら多角的に物事を考える思考のくせをつける授業を行いたいです。
 また私の学校では給食の食べ残しがよくあります。「自分事」としてSDGsを理解してもらえるように、世界の食糧問題について触れ、身の回りの物を粗末に扱ってはいけないということを認識してもらえる授業を行いたいです。」

 今回参加してくださった9名の先生方は、それぞれ小・中・高と異なる校種で、保健体育や理科、英語、音楽と様々な教科をご担当されており、特別支援学級を担当されている先生もいらっしゃいました。それぞれの教科や児童・生徒の発達段階にあわせた視点で、教育と国際協力、SDGsについて考え、2学期の取り組みを考えている姿が印象的でした。
 「JICAの教材、学習指導案集、出前講座……ここに来なければ知る機会なかった!」
という嬉しいお言葉もいただきました。
ご興味ある方は是非、以下のリンクからチェックしてみてくださいね!

報告者から一言・・・
 皆様はじめまして。JICA東京市民参加協力第二課インターン生の前田真鈴と申します。
大学院修士1年です。私は子どもの教育や人権に関心があり、大学院では開発協力と教育、子供の人権について研究を行っています。JICA東京で今年8月から来年3月までの7か月間、実習に入らせていただきます。これから、JICAインターン生として、学生としての視点も交えながら、JICA東京の取り組みを、分かりやすくたくさん皆様にお伝えしていきます!
どうぞよろしくお願いいたします。

☆今日でJICA東京実習6日目!驚いたことは、食堂に世界のご飯が日替わりで並ぶこと!


市民参加協力第二課 前田真鈴(インターン)