★特別対談★オスマン・サンコンさん×JICA東京「SDGsって?」

オスマン・サンコンさんとJICA東京の対談がついに実現!! SDGsについて、世界の風習や現状について、真剣に楽しくトークしました♪

2022年10月11日

まずは対談メンバーのご紹介♪

オスマン・サンコンさん

★オスマン・サンコンさん
元外交官でタレント。「1コン2コン・サンコン!」のフレーズでおなじみ。人とのつながりをとても大切にし、日本全国様々な場面での講演会、老人ホームでのボランティア活動、ギニアでの小学校建設、緊急物資を送るなど母国ギニアへの支援を続けています。

田中泉さん

●田中泉さん
JICA東京の所長。JICA勤務歴33年の国際協力のベテランで、主に中東地域での経験が豊富。現在はJICA東京のトップとして、地域の方々と世界中の人びとを繋ぎ続けています。中東の乾いた気候とウェットな人情が大好きです。

鈴木桃子さん

◆鈴木桃子さん
JICAアフリカ部の課長。埼玉県出身。エチオピアでの勤務やアフリカにおける産業振興協力の経験を経て、現在はアフリカ地域の事業実施方針策定に関する仕事をしています。趣味は山登り。

対談スタート!まずは自己紹介からお願いします! 

【画像】★サンコンさん
1コン、2コン、サンコーーーン!!こんにちは、オスマン・サンコンです。
西アフリカ・ギニアの出身です。兄弟が22人いて、僕は12人目です。多いでしょ?びっくりでしょ?
元々、僕はギニアと日本を繋ぐお仕事のために日本に来たんです。お笑い芸人じゃないんですよ(笑)3年間語学学校に通って日本語を覚えました。

◆鈴木さん
私は埼玉県浦和区の出身です。JICAのアフリカ部という部署でアフリカに関わる仕事をしています。東アフリカのエチオピアという国に4年間駐在していました。

●田中さん
JICA東京所長の田中です。埼玉・千葉・群馬・長野・新潟・東京で国際協力を行う地域の皆さまの支援など地域と世界をつなぐための様々な活動を行っています。

キーワードは「分かち合うこと」と「持ちつ持たれつ」!

【画像】★サンコンさん
鈴木さんは埼玉県の出身なんですね。
アフリカには54の国がありますが、日本でアフリカ人が一番多く住んでいる県は埼玉県なんです。アフリカと埼玉の繋がり、すごいでしょ?僕の親戚も埼玉県に住んでいるんですよ。
日本に来てもう50年。日本が大好きで、僕は勝手に自分を日本人だと思っているんです。

日本の良さは「義理と人情」。
わかりやすく言うと「分かち合うこと」「持ちつ持たれつ」の心だね。
自分だけじゃなくて、周りの人と分け合うこと。それを感謝すること。当たり前に思ってちゃだめだよね。それを日本で学びました。

◆鈴木さん
「分かち合う」って言葉に私も共感します。SDGsでも分かち合うことはテーマの一つですよね。
私が駐在していたエチオピアでは、食事を少し残してその場にいない家族や親せきに分かち合う習慣がありましたよ。

●田中さん
「持ちつ持たれつ」という考え方も大切ですね。JICAではアフリカ地域へ様々な支援を行っていますが、日本がアフリカ地域を支援する、という一方通行ではなく、いま埼玉県をはじめ日本中で多くのアフリカの方々が暮らし、働いている。未来を一緒に作るパートナーとして「共創」が大切なんですね。

世界での「分かち合うこと」ということで、話題はSDGsへ…!

【画像】★サンコンさん
SDGsは英語の頭文字をとったものですが、
S(Sustainable)=サステナブルの意味は、ずーーーーっと続くということですよね。すぐやってハイ終わり、ではないの。
その中でも僕が大切だと思うのは自然との生活。水、山、海、空などの自然の恵みをずっと守っていきたいね。昔から人と自然は一緒に生きてきたから。

僕の故郷のギニアでは、面白い風習があるんですよ。
コップ1杯の水を飲むときに、少しだけ残して、そして大地に還すの。
どんなに暑い日でも水を全部飲み切らない。地面や樹木、もしくは飼っている動物にも与えるんです。
暑い中2時間かけて汲みに行った水でも、人間だけで飲み切ることはしない。僕たち人間は空気や水や緑に生かしてもらっているからね。

これはSDGsって言葉が広まるずっと前からギニアにある生き方なんですよ。

◆鈴木さん
それはとても興味深い生き方ですね!自然との分かち合いの素敵な例ですね。
もう一つ、「将来の世代」と分かち合うことも考えてみようと思います。

例えばエチオピアやその周辺の国では乾燥と水不足の影響で農作物が育たず、多くの人が飢餓に直面しているんです。

日本は自然が豊富で山や水がある、蛇口をひねれば水が出てくる。食べ物もすぐ手に入る。
日本の皆さんには、この豊かさを当たり前と思わないで欲しいなと思います。
私たちの子ども、孫、そのまた孫…将来の世代まで、限りある豊かな資源を分かち合って生きていくことを考えて欲しいと感じています。

●田中さん
ギニアやエチオピアのお話、とても興味深いですね。
どこか遠い世界の話…と感じてしまいがちですが、実は私たちの生活と身近に結びついているんですよね。
水に関することですと、例えば埼玉県やさいたま市では、JICAと協力して開発途上国できれいな水が使えるように指導したり、下水道の処理の技術を伝えたり、といった活動をしています。

最後までお読みくださった皆さまへメッセージを! 

最後は「1コン、2コン、サンコン!」ポーズで3ショット!

◆鈴木さん
地球はたった1つしかない貴重なもの。そして地球が平和であるということも貴重なんです。
美しい地球を子どもたちに受け継いでいくということを、平和を守るということを、ぜひ自分事として考えて行動してみて下さい。

★サンコンさん
本当に平和は一番大切ですよ。
最近は戦争の影響もあり色んな物の値段が上がっています。戦争のニュースもたくさん流れていますね。「日本にいるから関係ない」って言える?言えないよ!SDGsや世界のニュースを「私には関係ない」って思わないで欲しい。

「持ちつ持たれつ」は世界の国と国も同じこと。世界の国々で手を合わせて「分かち合う」。譲り合う、感謝しあう気持ちで生きていけたら、世界が平和になると思います。

●田中さん
自然を守るために、将来の世代と平和や恵みを分け合うため、一人ひとりができることはたくさんありますからね。「分かち合うこと」「持ちつ持たれつ」の精神で、日常生活から少しずつ、気にかけてみてください。
JICA東京でも、市民の皆さまが国際協力や世界のことを考えるきっかけとなるイベントやセミナーをたくさんご用意しています。ぜひ身近な地域でのイベントに参加してみてください。

報告:JICA東京 広報タスク 塚元夢野