【千葉県松戸市】草の根技術協力インタビュー part3

ドミニカ共和国で日本梨を栽培!現地の方々の思いを聞いてみました

2023年2月13日

現地の方の思いとは?

苗木の植樹(左から現地調整員の出沼さん、農地庁ルスさん、現地農家ロンドンさん、日本梨専門家の田中さん、通訳の米崎さん、カレリンさん)

2021年からJICA草の根技術協力事業でドミニカ共和国にて「日本梨をラ・クラタ地区の特産品にする産地形成プロジェクト」を行っている松戸市のインタビューpart3。
今回は、首都サント・ドミンゴの農地庁のルスさんと、ラ・クラタ地区で松戸市と一緒に梨栽培を行っている農家のロンドンさんにお話を聞かせていただきましょう。

首都の農地省のルスさん

JICA千葉デスク・木村(以下、木村):
最初にこのプロジェクトの話が来た時にどう思いましたか?

ルスさん:
最初に梨の品種などの手紙が届いたとき、ドミニカ共和国にはないものなので最初はイメージしづらかったのですが、楽しみになりました。梨開発プロジェクトを通して松戸市と関わることができて嬉しいです。

木村:
ルスさんは国際開発部門ということで他国と事業をやることが多いと思いますが、日本・松戸市と連携したことでほかの国と何か違いを感じることはありますか?

ルスさん:日本人と働いていて、働き方が体系的にきっちりしていると感じました。予定や計画もしっかり立ててその通りに動いているのがすごいです。私の部門も農地庁の中では早く仕事をする方ですが、日本にはかなわない。このプロジェクトを通じてその部分を吸収していきたい。ラテンアメリカはあまり日本のように形式的な働き方ではないけれど、日本的な部分も勉強していきたい。

カウンターパート農地庁長官による梨狩り&試食

木村:
梨を実際に食べて、どうでしたか?今後たくさん梨がなったら、どうなっていきそうですか?人々はファンになるでしょうか?

ルスさん:
食べました。みずみずしくて美味しかったです。今年の梨は、田中さんたちの到着を待って収穫したので、収穫時期を過ぎてしまい、少し味が薄かったですが、それでも美味しかったです。
ドミニカにも「梨」はあるけど、それとはまったく違う。ドミニカ人にとって新しい発見になるはず。ラ・クラタ地区はイチゴばかり育てているけれど、新しい作物ができることで、収入面の改善につながるはず。ラ・クラタという地域で梨を作ることで観光客も来て、集客効果も期待できる。

木村:
梨をきっかけに、たくさんの観光客の方々が来てくれるといいですね!では、今後、松戸市との関係やこのプロジェクトがどうなっていってほしいですか?

ルスさん:
梨のプロジェクトが終わった後でも、別の場所、別の果物や野菜で、松戸市が開発のお手伝いをしてくれることを期待します。例えばドミニカ共和国の農家だけでいきなり日本のやり方をしても難しい。私たちはモデル圃場を提供できるので、そこで松戸市と作物を育て、他の生産者が学び、生産者の生活改善につながる。そうなったら、とても嬉しいです。

木村:ルスさん、ありがとうございます!

現地農家のロンドンさん

梨の専門家による接ぎ木指導

木村:
続きまして、ラ・クラタ地区で日本梨の栽培を行っている農家のロンドンさんにお話をうかがいましょう。ロンドンさんはなぜ梨を栽培しようと思ったのですか。

ロンドンさん:
珍しいエキゾチックなものを栽培してみたかったからです。

木村:
梨を栽培してみてどうですか。簡単ですか?難しいですか?

ロンドンさん:
プロジェクトは始まったばかりです。今後簡単か難しいかはわかっていくと思います。

木村:
他の作物や果物との違いはありますか。

ロンドンさん:
日本梨の栽培には、より良い生育のために特定の気候(寒さ)が必要であることが、ドミニカ共和国にある果物と違うところです。

木村:
プロジェクトが成功し、将来梨がたくさん収穫できたら何をしたいですか。

ロンドンさん:
梨栽培に特化しスペシャリストになりたいです。また、プロジェクト終了後も様々な珍しい果物を植え続けます。

木村:ロンドンさんは、珍しい作物を育てることに強い関心があるのですね!お答えいただきありがとうございました!

       
ここまで、3回連続で、地域の名産作物が、国際協力と地域の課題解決につながる例として、千葉県松戸市とドミニカ共和国の草の根技術協力プロジェクトに関わる5名にインタビューをさせていただきました。
これからも、松戸市とドミニカ共和国の交流と相互発展の様子をレポートしていきます。
お楽しみに!