Allez les Lions! ~セネガルの障害者の社会参加をスポーツの力で後押しする~

「世界の人びとのためのJICA基金活用事業」にてNGO・ WITH PEERにより「セネガルにおけるスポーツを通じた障害者のエンパワメントと社会参加促進活動」が2022年11月から始まりました。この事業はアフリカ大陸西端に位置するセネガルで、パラスポーツを通じて障害者の社会参加を促進することを目指して実施しています。今回は、現地で取り組んでいるブラインドフットボール(ブラインドサッカー)についてご紹介します!

2022年11月29日

誰もがサッカーを楽しめる社会を! 

ブラインドフットボールでは目隠しをして鈴の入ったボールを使ってプレーします

セネガルはサッカー強豪国として知られ、街のいたる所にサッカーコートがあり、子どもから大人までサッカーを楽しんでいます。現在カタールで開催されているFIFAワールドカップにも出場しており、今日、11月29日深夜には決勝リーグ進出をかけてセネガル代表はエクアドルと対戦します!

そのセネガルには、総人口約1,600万人のうち、約80万人(うち、視覚障害20万人、肢体不自由20万人)になんらかの障害があると言われています。WITH PEERでは、セネガルの障害者の社会参加促進を目的に、視覚障害者のサッカーとしてパラスポーツの正式種目にもなっているブラインドフットボールを活動に取り入れています。目隠しをして競技するブラインドフットボールの特徴を生かして、障害の有無に関わらずブラインドフットボールを楽しみ、視覚障害者とそうでない者とが競技を通じて交流する機会を作っています。「障害」を作り出す社会の障壁と人々の態度の双方に働きかけるきっかけがスポーツなのです。

セネガルでブラインドフットボール全国大会の開催準備中!

ブラインドフットボールの国際基準では屋内体育館、又は、人工芝のコートを使用するが、練習が行われる国立盲学校のグラウンドにはガラス片や針金などのゴミが落ちていて危険な状態にある

サッカーが国民的スポーツであるものの、視覚障害者のサッカーであるブラインドフットボールは、厳しい状況にあります。最後に国内大会が開催されたのは2015年で、その後はいくつかの要因により開催できずに現在にいたっています。
WITH PEERでは2022年に設立されたセネガル視覚障害者スポーツ協会と連携し、ブラインドフットボール全国大会の開催を後押しします。開催場所は、セネガル唯一の国立盲学校。そのグラウンド整備にはじまり、大会準備、運営に関する現地協会への助言・提案・マニュアル作り等を通じて、視覚障害者スポーツ協会が今後も全国大会を継続するために必要な能力強化を支援します。全国大会を通じて、視覚障害者がスポーツをすることに対する障害当事者自身、そして、障害者と取り巻く人々・コミュニティ・社会への啓発へとつなげていきます。

JICA海外協力隊がきっかけで始まった 

セネガルブラインドフットボール関係者とWITH PEER 松尾さん(中央)

ブラインドフットボールや車いすバスケットボールといったパラスポーツをセネガルで広める活動のきっかけは、実はWITH PEERの共同代表である松尾雄大さんがセネガルへJICA海外協力隊として派遣されていたことにあります。
松尾さんは2016年9月からJICA海外協力隊で小学校教育隊員として派遣され、2年間の活動中に参加した「ブラインドフットボールを通じたダイバーシティ教育」でブラインドフットボールの持つ可能性に魅せられ、帰国後は日本ブラインドサッカー協会で勤務し、2020年にWITH PEERを立ち上げました。
JICA海外協力隊や日本ブラインドサッカー協会での経験と仲間と共に、JICA基金活用事業でセネガルでのパラスポーツの普及、そして共生社会の実現に向けた挑戦が始まりました。ワールドカップでのセネガル代表の活躍と共に、セネガルのスポーツを通じた発展とインクルーシブ社会の実現に向けた取り組みをみんなで応援しましょう!

現在、JICAでは2022年度JICA海外協力隊秋募集を行っています!(2022年12月12日まで)
いつか、世界を変える力になる! JICA海外協力隊について是非ホームページから詳細をご確認ください。

そして、JICA基金活用事業であなたの想いを実現しませんか?
2023年度募集について2022年12月19日(月)に募集説明会を開催しますので是非、ご参加ください。