政府開発援助(ODA)事業における不正腐敗防止(再発防止策の更なる強化)Q&A

再発防止策に関する一般的なQ&Aを掲載しています。
詳細については、本件に関する問い合わせ先までご連絡ください。

本件に関するお問い合わせ先
独立行政法人国際協力機構 総務部法務課
電話番号:03-5226-8850
ファックス:03-5226-6393

(不正腐敗情報相談窓口の目的)
Q1 不正腐敗相談情報窓口を強化した背景、目的は何ですか。

A.2009年4月にJICAは、ODA事業における不正腐敗に関する情報を受け付ける窓口を設置しました。この窓口は、主に情報を受け付ける機能を果たしてきましたが、不当な要求を受けた企業に対する支援の一環として相談機能を果たしていくことも重要との考えから、「相談窓口」として、不当な要求にお困りの企業からの相談についても積極的に受け付けていくことを明確にしたものです。
ご相談が寄せられた場合、JICAとしては、通報者保護を前提に、必要な調査を行い、法令違反を防止するため適切に対処することにしています。

(外国企業への周知)
Q2 不正腐敗相談窓口は、本邦企業のみならず、外国企業に対しても周知していますか。

A.外国企業に対しても周知しています。JICAの英文ホームページにも相談窓口を設置するとともに、入札書類に不正腐敗情報相談窓口について明記する等の対応を行いました。また、再発防止策の一環で発表した「JICA不正腐敗防止ガイダンス」にも不正腐敗情報相談窓口について明記しており、同ガイダンスは英語版、フランス語版、スペイン語版を作成済です。同様に、外務省及びJICAの不正腐敗防止に係る取組等を記載した携行用カード「不正腐敗防止ポリシーガイド」も7か国語で作成しています。こうした取組により、外国企業に対しても、周知を徹底していきます。

(措置減免制度とは)
Q3 自主的に不正を申告した企業について、措置を免除又は軽減する制度(措置減免制度)の具体的な内容を教えてください。

A.企業が自主的に申告を行った場合、申告のタイミング等一定の条件を満たせば、措置の対象としない、又は措置の軽減の対象となる制度です。

(措置減免制度の目的)
Q4 措置減免制度を導入した目的は何ですか。

A.贈収賄等の不正事案について、措置の免除をインセンティブとして違反者からの自主的な申告を促し、JICAが不正行為等の事実を把握することを容易にするとともに、再発防止を促進することを目的に措置減免制度を導入しました。

(措置減免制度の対象)(Q5~Q7)
Q5 措置減免制度の対象となる事案はどのようなものですか。

A.措置の減免については,JICA措置規程の別表に記載されている措置要件に該当する不正行為等が対象となります。(ただし、措置の免除の対象となるのは、原則、JICAが実施する事業における法令違反行為(贈賄、独占禁止法違反、談合、不正請求等)に限られます。)

Q6 措置減免制度の対象となる不正行為等の時期や頻度(回数)についての制限はありますか。

A.不正行為等の時期や頻度(回数)に制限はありません。

Q7 過去に措置の適用を受けた企業も、措置減免制度の対象となるのですか。

A.対象となります。

(自己申告の方法)
Q8 措置減免制度の対象となるための、自己申告の方法について教えて下さい。

A.自己申告の方法は次の通りです。
・「不正行為等にかかる自己申告書」の提出
企業の代表権を有する者(代表取締役等)、又は代表権を有する者の指示を受けた者が、JICA不正腐敗情報相談窓口のメールアドレス(gatla-condesk@jica.go.jp)宛てに以下の情報を記載した上で「不正行為にかかる申告書」フォーム(別紙)をPDF化した上で電子メールに添付の上送信。)その際、件名を「措置減免制度に基づく不正行為等の自己申告」として下さい。
1)企業名、代表者名、電子メール送信者名・所属・肩書
2)不正行為等があったとされるJICAの案件にかかる基本情報(案件名、国・地域名、実施機関等)
3)内部調査の結果判明したJICA事業におけるすべての不正行為等の概要の詳細
なお、上記以外に電話やメールによる事前相談を受け付けることは可能ですが、その場合は正式に申告されたこととみなされない点にご留意下さい。

(措置減免制度の適用条件)(Q9~Q11)
Q9 措置の減免を受けようとする場合、所定の方法による自己申告以外にどのような条件がありますか。

A.次の条件を満たす必要があります。
-自己申告の前にJICA又は外務省からの事実関係の照会を受けていないこと、公正取引委員会等の行政機関による処分を受けていないこと、又は逮捕もしくは公訴提起されていないこと。
-自己申告した後に不正行為等を行っておらず、今後も行わないことを誓約すること。
-不正行為の対象となった案件の入札プロセスから辞退すること(まだ契約が行われていない場合)。
-自己申告から3週間以内に不正行為の再発防止に向けた適切な方策を策定し、措置の減免後にもその実施状況にかかる報告を行う旨の宣誓書を提出すること。

Q10 不正行為の事実関係が不明であるため、「疑惑」として申告した場合は措置の減免は受けられますか。

A.自己申告に不正行為の「疑惑」を含めることは妨げませんが、措置の減免は、原則として申告者が「事実」として認定した不正行為に対して適用され、「疑惑」の申告だけでは措置の減免は受けられません。

Q11 措置の減免を受けた後の条件はありますか。

A.措置の減免後は、再発防止策の実施状況に係るJICAへの報告を最低年1回3年間行って頂く必要があります。理由なく報告が行われない場合は措置の減免を取り消します。

(複数企業による別々の自己申告)
Q12 同一の不正行為に複数企業が関与したケースで、当該複数の企業が別々に自己申告した場合、自己申告の順位によって減免の扱いが異なるのですか。

A.はい。最初に「不正行為等にかかる自己申告書」を提出した企業が措置適用の免除の検討対象となり、以降の企業は措置の軽減の検討対象となります。順位は、「不正行為等にかかる自己申告書」提出の電子メールをJICAが受信した日時の先後により決定します。(なお、「自己申告書」の内容が不十分な場合は差し戻されます。その場合、順位はJICAが十分とみなす「自己申告書」の受信順位となります。)

(複数企業による共同の自己申告)
Q13 複数の企業が関与した同一の不正行為について、共同で自己申告することは認められますか。

A.共同で自己申告を行うことも認められます。その場合は、「不正行為等にかかる自己申告書」の提出により決定される順位も同順位として取り扱われることとなります。

(情報の取扱い)
Q14 自己申告の事実やその内容、又は申告に基づき措置を減免されたことが、公表されるようなことはあるのですか。

A.自己申告を受けた報告書そのものは外務省を除き第三者に提供しませんが、申告者以外の第三者の不正関与の有無を調査する目的や、その他に必要と認められる場合に、相手国政府やその他第三者へ申告内容の一部を提供することがあります。また、措置減免制度への申請や本制度適用の事実は、企業名等及び不正行為等の概要など必要最小限の情報に限って対外公表する場合があります。特に措置が行われる場合には、本制度適用による措置期間軽減の有無に限らず、企業名等及び不正行為等の概要は原則として対外公表します。

(当局による捜査との関連)
Q15 措置減免制度が適用されることによって、検察・警察等当局からの捜査や追訴を免れることができますか。

A.免れることはできません。JICAの措置の減免を受けることができるに留まります。申告者は法令違反行為を適切な当局へ自ら報告することが勧められます。申告者が応じない場合には、JICAとして当局へ情報提供せざるを得ない旨申告者に伝達した上で、当局へ情報提供を行うことがあります。

(外務省の措置の減免制度との関連)
Q16 外務省の措置の減免制度(リニエンシ-制度)とJICAの措置減免制度は別に適用されるのですか。

A.JICAの措置減免制度の適用は外務省と情報交換を行いつつ、調整を行いながら進めます。

(措置減免制度適用後の再発)
Q17 自己申告に基づき措置の減免を受けた企業が、その後不正行為を行ったことが発覚した場合にはどうなりますか。

A.自己申告にあたっては、申告者が把握しているJICA事業の不正行為等のすべてについて申告することが求められます。また、申告した以外の不正行為等を把握していないこと及び今後は不正行為等を行わないことを宣誓することが求められます。このため、措置の減免を受けた後一定期間内に、申告されていない不正行為等が発覚した場合や、新たに不正行為等を行った場合には、措置減免制度の対象となることは原則として認められません。また、申告者による不正行為等の把握のきっかけが通報等である場合を除き、不正行為等を繰り返し行ったことを踏まえ、より重い措置が課される可能性があります。

(コンプライアンス・プログラムの内容)
Q18 措置期間終了時に提出が求められるコンプライアンス・プログラムとは具体的にはどのような内容となりますか。

A.「JICA不正腐敗防止ガイダンス」において、企業に求められる取組として記載されている項目を中心として、コンプライアンス・プログラムを作成することを想定しています。具体的な項目はJICAより指示しますが,例えば以下の項目を想定しています。
1)不正腐敗防止のための体制
2)役職員に対する研修
3)社内規則等の整備
4)不正腐敗事案が発生した場合の対応
5)通報者保護への対応
6)内部統制体制の構築
7)その他

(措置期間満了後のコンプライアンス・プログラム提出)
Q19 措置期間満了までに一定水準のコンプライアンス・プログラムが提出できない場合の取扱いを教えてください。

A.措置期間終了までに一定水準のコンプライアンス・プログラムが提出できない場合には、それが提出されるまで、当該措置対象企業が、JICAとの直接の契約又はJICAの資金協力による案件の受注を認めない扱いが継続します。

(違約金強化の目的)
Q20 外国公務員に対する贈賄事案だけを対象に違約金を強化(注:外国公務員等に対する贈賄に対し、契約解除の有無を問わず、契約金額の20%を違約金として請求する。)した目的を教えてください。

A.外国公務員等に対する贈賄は、国内外において日本のODAに対する信頼性を著しく損ねる行為であり、その影響が極めて大きいと考えられます。そのため、外国公務員等に対する贈賄に限定してJICAとして極めて厳しい態度で臨むことを契約上明らかにすることにより、贈賄事案の発生を抑止することを期待し、違約金を強化しました。

(違約金支払い義務の発生条件)
Q21 外国公務員等に対する贈賄に係る違約金の支払い義務は、どのような条件をもって発生するのか教えてください。

A.1)受注者の役職員もしくはその指図を受けた者が不正競争防止法第18条において禁止される行為を行い、刑が確定したとき、又は、同条に相当する外国の法令に違反し、同国の司法機関による確定判決又は行政機関による最終処分がなされたとき、又は、2)上記の行為を行ったことを受注者が認めたときで、以下のいずれかを目的として違反行為が行われた場合に違約金を請求することとなります。
1)当該契約の業務遂行の便宜を得る目的、又は、2)当該契約の業務の実施の結果を受けて形成された事業の実施を内容とする契約の受注もしくは事業の許認可の取得等の便宜を得る目的(当該契約の履行期間中に違反行為が行われ、又は当該契約の経費もしくは対価として支払を受けた金銭を原資として違反行為が行われた場合に限る。)

(JVの場合の違約金の取扱い)
Q22 共同企業体(JV)の場合の外国公務員等に対する贈賄に係る違約金の取扱いを教えてください。

A.受注者が共同企業体(JV)である場合は、違約金はJVの全構成員による連帯債務となります。ただし、1)刑が確定した場合で、その判決内容等において、当該贈賄行為への関与が認められない構成員、2)受注者(構成員のいずれか)が認めた場合で、違反行為があったと認めた構成員が当該違反行為に関与していないと認めた他の構成員に対して、発注者(JICA)は当該違約金(及び賠償金)を請求しないことができると規定しています。なお、構成員の通報を促す趣旨から、2)の場合において当該違反行為を知りながら発注者への通報を怠ったものについてはこの限りではありません。

(契約履行終了後の違約金請求)
Q23 契約履行終了後であっても違約金を請求される可能性が残ることは、受注企業にとって過大なリスクを負わせていることにならないでしょうか。

A.契約履行の完了後は違約金を請求しないことにすると違約金強化の目的を達することができません。省庁や地方公共団体の契約においても、談合等があった場合の違約金条項において、同様の規定がなされています。
他方で、契約終了から長年が経過した後に違約金を徴求される可能性があるということは受注企業にとってはリスクであることから、受注企業のリスク判断を容易とするため、違約金を徴求される要件を契約書等において明確にしています。

以上
(2020年6月30日改訂)