上水道分野におけるデジタル変革の道筋を示す戦略報告書を公開
2025.06.19
2025.06.19
JICA DX Labでは、上水道事業の持続可能性と効率性の向上を目的としたデジタル変革に関する戦略的報告書 “Digital Transformation for Growing Water Utilities
”を発表いたしました。本報告書は、JICAがこれまで政府開発援助(ODA)を通じて培ってきた現場の知見をもとに、水道事業者が直面する課題に対して、エンタープライズDXの導入を通じた解 決策を提示するものです。
本報告書では、無収益水 [1](Non-Revenue Water, NRW)の削減、老朽化したインフラの管理、財務の健全化といった喫緊の課題に対し、AIやIoT、スマートメーターなどの先進技術を活用することで、リアルタイム監視や予測保守、効率的な資源配分を実現する方法を紹介しております。また、各水道事業体の現状に応じた変革を可能とするため、デジタル成熟度評価フレームワークや最適なシステム構成(アーキテクチャ)、段階的な導入ステップの紹介、実際のケーススタディなども盛り込まれております。
JICA DX Labでは、こうした知見をもとに、今後も各国政府、民間企業、地域社会との連携を通じて、すべての人々に安全で信頼できる水の供給を実現するためのデジタル変革を支援してまいります。
[1] 供給したにもかかわらず料金を回収できない水のことを指し、開発途上国を中心に水資源の浪費・収入の減少・サービスの低下を招く原因となっている。
scroll