北岡理事長が「国際女性会議WAW!2017」に登壇:途上国の女性起業家に対する支援の重要性を強調

2017年11月7日

会議の様子

2017年11月1日から3日に、世界の政治やビジネスのリーダー、有識者を招いて国際女性会議(World Assembly for Women)が都内で開催されました。頭文字をとってWAW!(ワウ)と呼ばれる同会議は、女性の活躍促進の方策を世界へ発信することを目的に、2014年から日本政府が毎年開催しています。WAW!2017のテーマは「WAW! in Changing World」。2017年7月のG20サミットにおいて女性起業家資金イニシアティブ(注1)の設立が発表されるなど、世界的に注目が高まる女性起業家支援をはじめとして活発な議論が行われました。

パネル・ディスカッションに登壇する北岡理事長

北岡伸一JICA理事長は、1日、安倍昭恵首相夫人による開会スピーチや基調講演に続いて開催されたパネル・ディスカッション「女性と起業」に登壇しました。同パネルでは、ゴールドマン・サックス証券株式会社副会長であるキャシー松井氏がモデレーターを務め、北岡理事長の他、スシ・プジアストゥティ・インドネシア海洋水産大臣、アランチャ・ゴンザレス国際貿易センター事務局長がパネリストとして参加しました。冒頭、北岡理事長は、日本はジェンダー・ギャップの点で世界から遅れをとっているものの、歴史的に見ると女性が活躍した国であるとしたうえで、女性が新しい時代に合わせたビジネスを起こすポテンシャルを有していたことを強調しました。また、JICAが途上国で女性の起業を支援した事例として、キルギスにおける女性の小規模ビジネスの振興支援や、エチオピアやASEAN諸国等における女性起業家の資金アクセス改善に向けた支援について紹介しました。最後に、JICAは、女性のポテンシャルの発揮や女性の社会進出を阻む障壁の撤廃に向けた支援を引き続き行い、女性の起業を支援していく決意を表明しました。

パッテン国連事務総長特別代表と北岡理事長

このほか、北岡理事長は、同日午前、WAW!参加のため来日していた国連のプラミラ・パッテン事務総長特別代表(紛争下の性的暴力担当)と面談し、紛争下の性的暴力撤廃に向けた取組みについて意見交換を行いました。

2日には、河野太郎外務大臣による全体会合開会挨拶において、日本政府のジェンダー平等や女性のエンパワメント分野に係る代表的事例としてメコン地域における人身取引対策支援等が紹介された後、女性・平和・安全保障に係るハイレベル・ラウンドテーブル等、7つのセッションが開催され、野田聖子総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣が閉会の挨拶を行いました。

3日には、世界銀行と日本政府の共催によるWAW!特別イベントが開催され、安倍晋三首相による開会挨拶において、JICAの実施する起業家支援プログラム(注3)への参加を通じ、ビジネスを立ち上げカンボジアの農村地域の貧困問題解決に向け活躍している女性起業家リム・ポーティーさんの事例が紹介されました。また、米国トランプ大統領の補佐官であるイヴァンカ・トランプ氏による特別講演が行われ、女性の経済的エンパワメントの重要性を強調しました。

JICAは、日本政府の「女性の活躍推進のための開発戦略」のもと、今後もジェンダー平等と女性のエンパワメントに向け、包括的な取り組みを続けていきます。

(注1)女性起業家資金イニシアティブ:Women Entrepreneurs Finance Initiative(We-Fi)。世界銀行に設立。日本政府も5,000万ドルの拠出を表明。

(注2)UN Women:United Nations Entity for Gender Equality and Empowerment of Women(ジェンダー平等と女性のエンパワメントのための国連機関)の略称。

(注3)カンボジア日本人材開発センターにおいて提供。

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