田中理事長がモザンビークを訪問

2013年2月22日

田中明彦JICA理事長は、2月21日、サブサハラ・アフリカで4ヵ国目の訪問となるモザンビークの首都マプトに到着しました。

理事長は、バンゼ外務協力副大臣、ヴァキーナ首相、ナカーレ企画開発副大臣を表敬訪問し、意見交換を行いました。協議のポイントは次のとおりです。

1)モザンビーク中・南部で発生した大洪水に言及しつつ、緊急援助といった短期的な対応に加え(先に緊急援助(2,100万円相当)を供与)、再発防止の観点から、中長期的な視点に立った対策の重要性を確認。この観点から、理事長は、今後、JICAとして、気候・変動対策での協力を強化する方向で検討している旨、言及しました。

2)マルチセクターな地域開発を主眼としているナカラ回廊開発については、周辺国を含む広域な視点で開発を捉えるとともに、異なる省庁や州政府との緊密な連携・調整が不可欠であることを確認しました。

3)(ナカラ回廊地域の農業総合開発を行う)ProSAVANA事業については、小農の生計向上を目的としており、それを加速させるために、ルールに則った民間投資の重要性を確認。さらに、理事長は、これら事業の正確な情報を地元農民や現地の人々へ共有するために、モザンビーク政府のオーナーシップに期待する旨、言及しました。

【画像】

バンゼ外務協力副大臣との会談(写真左)、ヴァキーナ首相(右)と握手を交わす、田中理事長(写真中央)、ナカーレ企画副大臣との会談(写真右)

ProSAVANA視察の様子

ナカラ港視察の様子

田中理事長は、2月22日、パシェコ農業大臣を表敬訪問し、ProSAVANA事業をはじめとするJICAの農業分野の協力は、農業セクターの圧倒的多数を占める小農の生産性向上や、所得向上を通じた生計向上が最も重要な目的であることを伝えました。そして、そのための手段として、適切なルールに則った民間投資の活用がポイントとなることを強調しました。また、同事業においては透明性のある形で農民組織等との対話をさらに強化していくことが重要であるとの認識を共有しました。

同日、このほかに、世界銀行、アフリカ開発銀行、UNDP、USAID、DFIDの各ドナー代表とインフラ開発、防災、農業分野の取り組みや課題について協議したほか、現地の日系企業と官民連携についての意見交換も行いました。

その後ナカラ回廊開発の現場視察のためにナンプラへ移動し、23日にナンプラ州知事を表敬しました。そして、約1日半にわたり、ProSAVANA事業の一環として同州モナポ郡で実施されている中規模農家による小農支援(ゴマおよびトウモロコシの栽培事業)や大豆などの栽培試験の現場を視察しました。さらに、ナカラ港やナンプラ〜クアンバ間道路整備事業などのインフラ整備事業も視察しました。