田中理事長がブルキナファソのコンパオレ大統領ら要人と会談

−サヘル地域の平和と安定に向け、現地の人々に届く支援の継続を表明−

2013年3月14日

田中明彦JICA理事長は、3月12日、ブルキナファソの首都ワガドゥグで、コンパオレ大統領、パレ外務・地域協力省地域協力担当大臣、スマレ西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)(注1)総裁をはじめとする要人と会談を行いました。

コンパオレ大統領(右)との会談

勲章受章後、パレ外務担当大臣(右)と握手を交わす田中理事長

スマレUEMOA総裁(左)との会談

1)コンパオレ大統領との会談では、緊迫するサヘル情勢(注2)について意見交換。田中理事長は、大統領の平和と安定に向けた多大な努力に敬意を表するとともに、国際社会としても、平和的解決に向けて引き続き支援していく必要があることを訴えました。また、今回の現地視察を通じ、JICAの協力がブルキナファソの人々に着実に根付きつつあることを確認しました。今後も引き続き教育、農業、域内統合の3分野に重点を置きつつ、青年海外協力隊(JOCV)の派遣などを通じて両国間の友好をさらに深める協力を行っていくことを伝えました。

2)コンパオレ大統領は、これまで開催された4回のアフリカ開発会議(TICAD)(注3)すべてに参加したアフリカ唯一の大統領です。アフリカの開発において、これまで日本が果たしてきた役割を高く評価し、6月に横浜で開催されるTICAD Vにおいても、お互いに実り多いものとなるよう一層の協力を進めていくことを確認しました。

3)大統領との会談に先立つパレ外務・地域協力省地域協力担当大臣との会談では、これまでのJICAの協力が高く評価され、田中理事長に国家勲章が授与されました。

4)スマレUEMOA総裁との会談では、西アフリカにとって、地域統合促進が大きなテーマであることを共有し、UEMOAがJICAにとって重要な開発パートナーであることをあらためて確認しました。

13日には、青年海外協力隊の活動現場である小学校を視察し、次の訪問国ガーナへ移動しました。

(注1)UEMOAは1994年に発足した西アフリカの8ヵ国(ギニアビサウ、コートジボワール、セネガル、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マリ)が加盟する地域経済機構。ワガドゥグに本部を置き、域内の共通通貨セーファーフランを供給する中央銀行と、西アフリカ開発銀行を傘下に持っている。地域の経済統合を推進しており、国境を越えるインフラ整備への取り組みなども行っている。
(注2)サヘル地域は、アフリカ・サハラ砂漠の南縁に沿うように東西に広がる地域で、エリトリア、スーダン、セネガル、チャド、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、マリ、モーリタニアなどが含まれる。かつて豊かな緑にあふれていたこの地域は、大河が存在せず、最近の降雨の減少等の自然の要因に加え、樹木の伐採、農業活動の影響から砂漠化が深刻な問題となっている。農業生産力の低下により、「飢餓ベルト」と呼ばれるほど慢性的な食料不足に苦しんでいる。また、リビアの旧体制崩壊により武器がサヘル地域に流れるなど平和と安定の面での課題も抱えている。
(注3)Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略で、アフリカの開発をテーマとする国際会議。1993年以降、日本政府が主導し、国連や国連開発計画(UNDP)、世界銀行等と共同で開催している。2013年6月には、横浜で5回目となるTICAD V(第5回アフリカ開発会議)を開催予定。