田中理事長がスーダンのターハ第一副大統領ら要人と会談(スーダン その1)

−スーダンと南スーダンの平和的共存と発展に向けて−

2013年4月26日

田中明彦JICA理事長は、4月24日、昨年4月の就任後サブサハラ・アフリカで11ヵ国目の訪問先となるスーダンに到着しました。

ターハ第一副大統領(右)と会談する田中理事長

24日、田中理事長はターハ第一副大統領、マグディ財務省副大臣、ラハマッターラ外務次官ら要人と会談し、南スーダンとの関係改善が進むスーダンの今後の発展、日本の役割やJICAの協力について意見を交換しました。 

1)ターハ第一副大統領との会談では、外交努力が実り、スーダンと南スーダンの関係改善が進んでおり、両国の発展のためには相互の協力が不可欠であると双方で確認しました。その上で、同副大統領より、石油、貿易などの分野でさらに本格的な協力関係を築く準備も行われているとの説明がありました。これに対し、田中理事長は、スーダン政府が長年にわたる南北紛争からの復興および開発のために多大な努力を払っていることに敬意を表すとともに、スーダンおよび南スーダンの平和的共存と発展に向けた努力を結実させるよう、両国に協力していくと伝えました。 
 
また、田中理事長は、両国間の貿易拡大には運輸インフラの改善が必要で、JICAが南スーダンで協力を進めているナイル川の河川交通をさらに整備することが、両国の発展に寄与できるのではないかと述べました。それに対し、副大統領からも同協力事業への強い関心と期待が寄せられました。

さらに、最近カッサラ州を訪問した際、人々の生活の向上につながるJICAの事業が現地の人々から大変感謝されていることがよくわかったとの発言がありました。副大統領がその他多くの州を訪問した際にも、JICAの協力を高く評価する地元政府や住民たちの声を各所で聞いているとの紹介もありました。その上で、スーダンにとって日本の協力が最も優れたモデルとなっており、日本との協力関係をさらに広げていきたいとの期待が同副大統領より示されました。

マグディ財務省副大臣(左)と会談する田中理事長

2)続いて、マグディ財務省副大臣との会談では、水道、職業訓練、貿易投資など、JICAの協力を実施中の政府関係者が一同に会しました。同会談では、「安全な水へのアクセスの改善」「競争性のある農産品の育成」「地方での職業訓練の重要性」といった、スーダンの現状や開発課題についての意見交換が行われました。

6月に横浜でのTICAD V開催を控える中、上記会談を含め、一連のアフリカ出張にて各国政府要人や開発協力関係者と直接意見交換を行ったことは、貴重な機会となりました。