田中理事長がスーダンでプロジェクトを視察(スーダン その2)

−スーダンの国づくりを支える地方の人材育成−

2013年4月26日

田中明彦JICA理事長は、4月25日、スーダンの首都ハルツームにてドナー関係者と意見交換を行い、プロジェクトを視察しました。

スーダンに駐在の国連機関代表者や欧州の援助機関関係者との懇談では、スーダン支援について意見を交換しました。懇談の参加者からは、スーダンと南スーダンの最近の関係改善が、両国経済にとって大きな助けとなるだけでなく、各機関の今後の事業実施にも良い影響を与えるとの前向きな認識が示されました。また、人道支援から開発支援への移行の必要性や、両国の現状に適した開発計画を策定していくことの重要性について意見が交わされました。

また、多くの援助機関は、国際NGOと連携して現地で事業を展開しています。スーダンのNGOとの連携をより効果的に進めるためにもNGOのキャパシティ・ビルディング(組織能力の強化)も重要であるとの議論もなされました。

上下水道研修センターを視察する田中理事長(左から3人目)

JICAの協力現場の視察では、「水供給人材育成プロジェクト・フェーズ2」の上下水道研修センターを訪問しました。同プロジェクトでは、給水施設の維持管理能力向上に貢献する水道技術者の育成を目指しています。

国営水公社のアンマール総裁からは、JICAの協力で1,000人以上の公社職員が、給水施設管理、井戸管理、水質管理などの幅広い分野で研修を受けることで能力強化となり、スーダンの水道事業の改善に貢献していると感謝の意が表されました。

職業訓練コース参加者から説明を聞く田中理事長(左)

続いて、田中理事長は、青年海外協力隊員の活動も視察しました。青年海外協力隊員が活動するハルツーム2職業訓練学校は、全国の職業訓練システムの改善を目指す「職業訓練強化プロジェクト」のモデル校として、紛争の影響を受けた人々を含む社会的弱者(女性や障害者など)の就業機会の拡大へ向けた訓練カリキュラムの開発などに取り組んでいます。

同校の裁縫コースに参加している女性からは、「障害のある他の女性たちにも、裁縫を教えることができるようになった。今後は、障害のある女性たちの生計向上にも貢献したい」との話がありました。

田中理事長は、2日間のスーダン滞在を終え、25日、帰国の途につきました。