田中理事長が南アフリカ共和国でTICAD Vに向けて発信

2013年5月20日

【画像】

プレトリアでのセミナー登壇者(左からマヤキNEPAD長官、モニャエDBSAシニア政策アナリスト、田中理事長、吉澤駐南ア日本大使)

JICAの田中明彦理事長は5月7日、南アフリカ共和国(以下「南ア」)を訪問。5月8日から10日にかけてケープタウンで開催された世界経済フォーラム(WEF)(注1)アフリカ会議2013に出席する機会をとらえ、開催まで1ヵ月を切った第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の広報を目的としたセミナーで、同国の開発関係者などをはじめ、広く一般に向けて、日本とJICAのアフリカ協力をアピールした。

JICAは5月8日、在南ア日本国大使館、ステレンボッシュ大学との共催で、周辺の教育・研究機関や南ア国会関係者を対象とした広報セミナーを実施。約50人が参加した。

5月10日には行政首都プレトリアで在南ア日本国大使館、南アフリカ国際問題研究所(SAIIA)、プレトリア大学との共催で、同様に広報セミナーを実施。南ア政府・財界関係者、在プレトリア各国大使館をはじめとする外交団員に加え、現地日本企業関係者など約200人が出席。田中理事長、吉澤裕駐南ア日本大使に加え、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)(注2)のイブラヒム・ハッサン・マヤキ長官と南部アフリカ開発銀行(DBSA)シニア政策アナリストのデビッド・モニャエ氏が、各機関のアフリカ支援戦略やTICAD Vに向けた取り組みを発表した。

アフリカも日本も元気になる協力

【画像】

ケープタウンのセミナーで講演する田中理事長

田中理事長は両都市で、「変貌を遂げるアフリカと日本の課題(Changing Africa, Challenges for Japan)」と題した基調講演を行った。「現在、世界の経済成長の中心は、環太平洋から南アジアやアフリカ大陸を含む環インド洋まで拡大しつつある。今後、アフリカ経済は世界や日本にとって重要性を増してくるだろう」との見解を示し、さらなる発展のための基本原則として「包摂的な発展」「持続可能な成長」「グッド・ガバナンス」「平和構築」「民間連携」などを挙げ、それぞれに関するアフリカ各国・各地域でのJICAの取り組みを紹介した。

田中理事長はまた、アフリカ開発を担う各開発機関がそれぞれの特色を打ち出しながら、各国政府のオーナーシップ(主体性)を重視しつつ、国際社会とのパートナーシップ(協調)による協力を行うという、TICADの基本方針に言及。「アフリカでの国際協力において日本政府と日本企業がより連携を深めることが必要だ」と述べ、アフリカと日本を共に元気にしていくことの重要性を強調した。

プレトリアでのセミナー終了後、田中理事長は南アのマスコミ関係者とのインタビューに応じ、現地のテレビ番組にも出演した。TICAD Vに向けたJICAの取り組みをアピールし、近年の日・南ア経済関係について語った。

(注1)スイスのジュネーブに本部を置く国際的な非営利団体。毎年1月にスイスで開催される年次総会「ダボス会議」のほか、各地域で世界経済フォーラムを開催。5月末には中東、6月にはミャンマーや日本でも行われる。

(注2)New Partnership for Africa's Development。2001年にアフリカ統一機構(現在のアフリカ連合)が定めたアフリカのための開発目標プログラム。

田中理事長スピーチ(英語) 

【TICAD Vに向けて、アフリカの開発課題、事業の最新動向、援助の在り方についての分析など、アフリカをシリーズで特集しています】

セミナーでの各者発表資料(英語)