田中理事長がベトナムを訪問

−日越関係の更なる発展・深化を目指して、着実な支援を表明−

2013年8月29日

田中明彦JICA理事長は、8月25日から28日にかけて、ベトナムを訪問し、チュオン・タン・サン国家主席、グエン・タン・ズン首相をはじめとする要人と会談するとともに、ODA案件の視察等を行いました。

サン国家主席(右)との会談を終えて

1)サン国家主席との会談では、日越外交関係樹立40周年を記念する年に訪問でき喜んでいること、日本にとってベトナムが、地域的課題を共有し、経済的に相互補完関係にある重要なパートナーであることを表明しました。また、ベトナムの国家目標である2020年までの工業国化の達成に向け、JICAは、成長と競争力強化、脆弱性への対応、ガバナンス強化、の三つの重点分野を柱として、バランスのとれた幅広い支援を継続することを説明しました。

サン国家主席からは、日本によるベトナム支援について感謝の意が表されるとともに、研修や専門家派遣等の人的交流を通じて、両国が重層的な人間関係を築いていくことへの期待が述べられました。また、日本のODAに今後期待する分野として、高等教育、官民連携が取り上げられました。

ズン首相(右)との会談

2)ズン首相との会談では、工業国化の達成に向けて、国営企業改革等に対し、JICAは迅速に支援を実施することを説明しました。

ズン首相からは、インフレの抑制等、ベトナムのマクロ経済安定に向けた経済政策について説明がありました。また、医療分野への日本からの支援に対して期待が述べられました。

3)このほかに、ブイ・クアン・ヴィン計画投資省大臣、ディン・ティエン・ズン財政大臣と会談し、JICAの協力について意見交換を行いました。

4)また、日本の支援で建設中のハノイ市ノイバイ空港第二ターミナル(Terminal 2 Construction Project in Noi Bai International Airport)の建設現場やバックマイ病院(Bach Mai Hospital)等のODA案件の視察、農業や法整備支援等に携わるJICA専門家、日本語教師や村落開発分野で活動するボランティアとの面談を通じて、日本のODAがベトナムの社会経済発展に貢献している状況を確認しました。

5)8月28日には、東西回廊(ベトナム・ラオス・タイ北東部をつなぐ経済回廊、JICAも支援)を使って、ベトナムのフエからラオスのサバナケットまで陸路移動し、メコン地域の経済成長を支えるインフラの状況も確認しました。