田中理事長が中国を訪問

2014年12月22日

科学技術部曹副部長(右)と田中理事長

田中明彦JICA理事長は、12月14日から16日にかけて北京を訪問し、JICA事業関係者と会談を行うとともに、中国におけるこれまでの協力事業の視察等を行いました。

12月15日、田中理事長はJICAの技術協力の窓口である科学技術部の曹健林副部長と会談しました。曹副部長は、30数年にわたる日本の協力の成果について高く評価しつつ、今後は新たな協力方式につき、模索していくことも必要と述べました。田中理事長は、中国科学技術部によるJICAや同中国事務所との長年の協力に感謝の意を表明しました。

全国婦女連合会孟副主席(右)と会談する田中理事長

中国最大の女性団体で、女性の社会的地位向上や女性と子どもの権利保護の分野で指導的役割を担う中華全国婦女連合会(全婦連)との会談では、孟暁駟副主席よりJICAと全婦連が実施した技術協力「四川省大地震復興支援こころのケア人材育成プロジェクト」(2009〜2014)の成果について、高い評価と謝意が表明されました。田中理事長からは、日本政府が女性地位向上を重要な政策の柱としており、JICAも女性の地位向上と人権保護に関するさまざまな事業を実施していることを紹介しました。

中日友好病院の視察

滞在中の事業の視察では、日本政府の無償資金協力により建設され、今年開院30周年を迎えた中日友好病院を訪問し、王辰院長と面談しました。王院長からは、まず無償資金協力および長年の技術協力への謝意が伝えられました。その上で、これまでの技術協力により医療技術が向上し、多数の医療人材が育成されたこと、現在同病院は中国最高の水準にあり、ICTを活用した内陸部の医療人材の育成支援や医療分野で独自の日中間交流を実施していることなどの説明がありました。

帰国研修員同窓会との懇談(中央:田中理事長)

田中理事長はこのほか、点字図書整備や視覚障害者向けラジオ番組制作等を通じて視覚障害者の生活環境に取り組むNGOである北京紅丹丹教育文化交流センター(草の根技術協力を活用し、社会福祉法人日本点字図書館が支援)を訪問。またJICAの研修で来日し、日本で博士号や修士号を取得し帰国した元JICA研修員との懇談や、かつて円借款で支援し、93年に完成した高碑店下水処理場の視察を行い、16日、日本への帰途につきました。