田中理事長がインドネシアを訪問

−新政権による開発課題への取り組みに積極的な協力を表明−

2015年2月17日

ジョコ・ウィドド大統領(右)への表敬

田中明彦JICA理事長は2月11日から14日にかけてインドネシアを訪問し、ジョコ・ウィドド大統領、アンドゥリノフ・チャニアゴ国家開発企画大臣をはじめとする要人と会談するとともに、JICA事業の視察等を行いました。

ジョコ・ウィドド大統領への表敬において、田中理事長は、これまでの長い協力関係の精神を受け継ぎ、インドネシアの開発計画に沿った形で今後もJICAとして協力を続けていくことを表明しました。また、新政権が重視する海洋国家構想、食料安全保障等への協力も、内容を検討し、取り組んでいく考えであることを説明しました。

大統領からは、今後経済成長を達成するにあたって、日本からの投資や支援に期待が示されました。また、海洋国家構想の実現のためには、国内のコネクティビティー改善、産業育成が重要との認識が示されました。

渋滞緩和が期待されるMRTの建設現場

漁業・水産業関係者でにぎわうジャカルタ漁港を視察

アンドゥリノフ国家開発企画大臣との会談では、同省が本年1月、新たな国家中期開発計画を策定したことを受け、JICAとしても引き続き同計画の達成に貢献する協力を行っていくことを説明しました。アンドゥリノフ大臣からは、質・均衡・平等を目標とし、ジャワのみならず地方にも優先度を置いていくことが説明され、日本の協力・投資に期待が述べられました。

ソフヤン・ジャリル経済担当調整大臣、バンバン・ブロジョネゴロ財務大臣との会談においては、インドネシアのマクロ経済・財政、インフラ整備等に必要な事業の実施促進を政府内で協調して進めて行く重要性等について意見交換を行いました。

訪問期間中、田中理事長は日本の支援で建設中のジャカルタ都市高速鉄道(MRT)、日本の協力により整備されたプルイット排水機場、ジャカルタ漁港を視察。活動中のJICA専門家や民間連携事業関係者とも面談し、首都の都市問題(交通渋滞、洪水、下水等)や経済産業発展のためのインフラ整備への協力といったインドネシアにおけるJICA事業の状況を確認しました。

また、ジャカルタに所在するASEAN事務局のレー・ルオン・ミン事務総長および日本政府のASEAN代表部・相星孝一大使との面談においては、本年のASEAN経済共同体発足にかかわる意見交換を行いました。事務総長からは、経済共同体の設立は本年中に完遂するとした上で、一部残された課題には継続して取り組んでいくこと、メンバー国間の開発格差を縮小して強靭(じん)なASEANを作っていくこと、各国のさまざまな意向はあってもASEAN統合は揺るがないとの説明がなされました。