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- フィリピン・ミンダナオ紛争影響地域の平和の定着に向けて支援の継続を表明:田中理事長がフィリピンを訪問
田中明彦JICA理事長は、8月23日から26日にかけて、フィリピンを訪問し、ベニグノ・アキノ3世大統領と会談を行うとともに、ミンダナオ島にて実施中のJICA事業の引渡式に出席しました。
田中理事長は、26日にアキノ大統領と会談しました。大統領は、前日に田中理事長とセサール・プリシマ財務大臣が借款契約に調印した2件の円借款事業「マニラ首都圏主要橋梁耐震補強事業」及び「ダバオ市バイパス建設事業(南・中央区間)」を通じた協力に対する謝辞を述べました。これらはいずれも日本の技術を活用した「質の高いインフラ」の整備支援として迅速な実施が期待されます。また、大統領は、田中理事長立会いのもと24日に引渡し式が開催されたミンダナオでの学校建設への協力に対する謝意を述べるとともに、教育の重要性を強調しました。
これに先立つ24日には、田中理事長はミンダナオ島マギンダナオ州North Upi町を訪問し、バンサモロ移行委員会のモハガー・イクバル議長と共に、「バンサモロ包括的能力向上プロジェクト」の中で支援したキブレグ小学校の教室引渡式に出席しました。本事業は、2014年3月のフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)による包括和平合意文書の署名後、ミンダナオ紛争影響地域の20か所に小学校や公民館施設の建設を行う支援の一環として実施されたものです。田中理事長は引渡式にて、包括和平合意後、人々が平和の果実を実感し、平和な未来への期待を持ち続けることができるよう、コミュニティの人に着実に届く支援を目指してきたことを説明しました。
田中JICA理事長(左)とアキノ大統領
署名後握手を交わすプリシマ財務大臣(左)と田中JICA理事長
小学校教室引渡式の様子
そして、子どもたちにより良い教育環境を提供できる教室を引き渡しできることを非常に嬉しく思うこと、また、JICAは常に人々に寄り添いながらミンダナオの平和の定着のための支援を続けると述べました。また、イクバル議長は、日本政府とJICAの和平プロセスへの継続的な支援に対し感謝の意を表すと共に、自治政府設立の基盤となるバンサモロ基本法は引き続き国会審議中であるものの、人々の間で平和を維持し根付かせていこうとする意志は変わらない旨を力強く訴えました。
さらに、翌25日には、MILFのムラド・イブラヒム議長と、26日にはムスリム・ミンダナオ自治政府のムジブ・ハタマン知事と会談し、和平定着における課題や今後の支援の在り方について、意見交換を行いました。
JICAはミンダナオにおいて、和平合意前から、ミンダナオ国際監視団(IMT)の社会経済開発部門への職員派遣に加え、和平後を見据えた開発の担い手育成、コミュニティ開発、和平関係者の意見交換の場づくり等を通じて、ミンダナオの紛争影響地域に対する支援に取り組んできました。今後も、バンサモロ自治政府発足に向けた移行プロセスを支援しつつ、将来の行政官人材育成、中長期的な地域開発計画づくりなどの支援を強化していきます。
ミンダナオの和平に関する経緯の詳細と日本政府の関与については以下の外務省HPをご参照ください。
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