- トップページ
- 日本国内での取り組み
- JICA関西
- 事業の紹介
- 開発教育支援
- 実施レポート&活用のポイント「来日行政官・技術者との交流プログラム」~「兵庫県立大学人間環境学部 乾ゼミ」×「文化遺産および地域社会と共生する持続可能な観光開発に携わる来日行政官・技術者」の事例~
JICA関西では、開発教育支援事業の一環として、学校や地域の皆さんを対象に、国際協力への理解と参加の促進を目的とした以下のプログラムを実施しています。
・JICA関西訪問プログラム
・JICA国際協力出前講座
・来日行政官・技術者との交流
「来日行政官・技術者との交流」プログラムは、開発途上国から、自国の国づくりを担う日本の技術やビジネス、まちづくりなどを学びに来日する行政官・技術者(以下、研修員)との交流を希望する学校や団体向けのもので、毎年、4月から募集を開始します(5月に選考・マッチング)。このプログラムで「何ができるの?」「実際にやってみてどんな感じなの?」といった疑問にお答えするため、応募から当日に至るまで、実施までの流れや本プログラムの活用ポイントをお送りします。
今回ご紹介するのは「文化遺産および地域社会と共生する持続可能な観光開発」研修で来日した研修員と兵庫県立大学人間環境学部・乾ゼミの学生との交流事例です。
【実施レポート】
応募からコース決定まで
多文化共生教育・国際教育協力を研究する乾先生は、4月にウェブサイトに掲載された研修コース一覧の中から、「文化遺産および地域社会と共生する持続可能な観光開発」に注目しました。
大学近隣の世界遺産である姫路城があることから、研修テーマとの親和性が高く、学生とのキャリア教育としても意義があると判断されたためです。JICA関西との事前の相談を経て、JICA関西HP上にある申し込みフォームからエントリーし、選考・マッチングの結果、交流実施が決定しました。
実施に向けて
交流プログラムの内容は、交流を希望する学校や団体のみなさま自身のオーダーメイドで企画していただきます。今回の交流対象は「文化遺産および地域社会と共生する持続可能な観光開発」を学ぶ研修員であるため、乾先生は、研修テーマに合わせて姫路の街や姫路城をどう紹介するか、ご自身の学生との交流はどうしたら効果的か、学食で流しそうめんをしたら喜ぶかもしれないが、時期的に寒すぎるだろうか、姫路城の説明は別に通訳が必要だろうか、研修員にはどのようなプレゼンテーションを実施してもらおうかなど、充実した交流プログラムになるよう多角的に内容を検討されました。実施の1か月前にはほぼ内容が決定。決定したプログラムは来日する研修員にJICAから共有され、当日に向けて、大学・研修員双方が準備を進めました。
― 参考:当日プログラム概要 ―
12:00 大学到着後、キャンパス内を見学。会場に到着後、自己紹介
12:50~ 交流ランチ(大学食堂にて)
13:50~ 会場へ移動・学生による姫路の説明、グループに分かれ研修員による自国の世界遺産の紹介
14:40~ 姫路城視察
16:00 解散
交流会当日
キャンパス内の散策
京都研修後に姫路へ移動した研修員は11名。到着遅延により予定を変更し、キャンパス内の散策からスタートしました。散策は小チームに分かれて、それぞれのチームを学生が引率する形で進めました。ほとんどの研修員は日本語が分からないため、学生のみなさんは英語や身振り手振りを駆使して懸命に意思疎通を図っていました。自己紹介タイムはなくなりましたが、散策しつつ、お互いの距離が少しずつ縮まりました。
大学食堂でのランチタイムで交流
散策後は、大学食堂にてランチタイム。学食での注文の仕方が分からない研修員たちを学生のみなさんが丁寧にサポート。そして全員、テーブルについて、いただきます!!当初考えられていた流しそうめん企画は、急に冷え込んできたため残念ながら通常の学食メニューに変更となりましたが、日本の大学食堂でのランチタイムは研修員にとっては新鮮で楽しい経験でした。
学生と研修員によるご当地紹介プレゼンタイム
ランチタイムで打ち解けた後、会場に移動し、双方のご当地紹介タイムが始まりました。今回の研修テーマが「文化遺産および地域社会と共生する持続可能な観光開発」ということもあり、11名の研修員の日本への理解を深めるため、まずは3名の学生さんから、「姫路」について英語で紹介。食べ物やカルチャーなどクイズを用いた参加型のプレゼンテーションに研修員も楽しく参加しました。
後半はチームに分かれて、研修員のプレゼンタイムです。研修員たちは自国の観光地や文化財を、グループに分かれて英語で紹介。どのグループも時間を忘れるほど熱意あふれる発表、意見交換となりました。
世界遺産・姫路城へGO
そしていよいよ世界遺産の姫路城へ。姫路城視察は、学生も研修員も楽しみにしていたプログラムです。記念撮影の後、全員で天守閣を目指しました。天守閣登頂まで、研修員は堅牢な城壁や門、兜の展示や窓からの景色などに魅せられた様子でした。天守閣からの眺望を満喫し、研修員にとっても学生の皆さんにとっても、良い思い出となりました。
交流を終えて
今回の研修を終えて、乾先生から「学生にとって貴重な交流の場ができました。言葉が完全にわからなくても身振り手振りでコミュニケーションが出来たことがうれしかったようです。お互いがご当地紹介をしたり、世界遺産(姫路城)を巡ったりしているうちに信頼関係を築くことができ、国境を越えたつながりに発展したと思います。」とコメントをいただきました。
【活用のポイント】
来日行政官・技術者との交流プログラムの活用のポイントを、今回のプログラムを例に以下のとおりまとめました。
①テーマの明確化
応募時に応募理由や交流テーマを明確にし、できるだけ具体的にご記載ください。特に、来日行政官・技術者の研修テーマに合致した交流をどのように組み込めるか、ご記載ください。(今回の例で言えば、文化遺産・観光開発コースなので、姫路や姫路城を紹介するなど。)
②日程調整
交流いただく行政官・技術者の研修テーマ(研修コース)は5月に決定しますが、この時点では、詳細な来日日程や参加者は決まっていません。国内外の情勢等のやむを得ない事情により、日程や参加人数等が変更となる可能性があるため、それらの変更にも対応できる日程・プログラムを企画することをお勧めします。
③実施に向けての綿密な準備
日程がおおよそ決まったらプログラムを具体化させるために、JICA担当者とオンラインで打ち合わせを実施します。その際、研修員の人数や所属、来校手段や到着時間、終了時間など細かな内容について確認します。今回の兵庫県立大学の皆様は、研修員交流実施にあたり、交流プログラムに沿ったチーム編成や当日の学生による英語でのプレゼンテーション準備など綿密に計画されました。
④余裕をもったプログラム構成
実施当日はバスの遅延など予期せぬことが起こることもあります。スケジュールにゆとりを持たせるなど、必要に応じてプログラムの調整ができると安心です。可能な範囲でご検討ください。
より深い交流ができるように、このレポート・手引きを参考に是非お申し込みください。
関連リンク
・来日行政官・技術者との交流