【研修コース:「戦略的マネジメント・マーケティングによる持続的地場産業振興(A)」修了】

2023.06.26

持続可能な開発を目指して――地場産業振興コースを通じた学びと気づき

5月11日から6月7日の約1カ月にわたり、アジア、アフリカ、東欧、中南米9カ国から10名の研修員による「戦略的マネジメント・マーケティングによる持続的地場産業振興(A)」研修コースが実施されました。

本研修は、地域開発や地域の社会・環境問題に取り組む行政官や企業関係者、大学講師らがJICA研修員として参加し、十勝の事例を基に、原材料の調達、生産、加工、流通、販売の一連の流れを通じて付加価値を生み出すプロセスである「バリューチェーン」を持続可能な形で構築する地域振興政策を学び、自国の地域経済・環境保全に貢献することを目的としています。

研修は講義とワークショップ、視察で構成されており、講義やワークショップでは環境に配慮した持続的な地域振興策、循環経済、マーケティング手法などを学びました。また、視察では地元パン製造・販売会社、十勝川流域浄化センター、有機栽培に取り組む農場、帯広の森などを訪問し、地産地消、環境にやさしい自然農法、自然との調和を目指した地域振興政策などを学びました。研修員は全員が初めての来日であり、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)や、有機栽培の導入が必ずしも収穫量の減少に繋がるわけでないなど、自国ではあまりない発想や事例に触れ、新たな知見を得ていました。研修の最後には、学んだことを自国の状況に応じて所属機関で実践していくため、活動計画(アクションプラン)を作成し発表しました。

研修員からのコメント

●経済、社会、環境は相互に影響し合っており、持続可能な開発を達成するためには、これらを包括的・複合的な視点でシステムとして分析する必要性を痛感した。(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

●私の国では経済発展を急ぐあまり、環境にあまり配慮がなされていないが、十勝地方での環境に配慮した発展の事例を聞き、新たな視点を学ぶことができた。(コートジボワール)

●様々な国からの研修員が一緒に学ぶことに最初は不安を感じたが、直ぐに仲良くなり、他国の現状を聞き比較することで、自国の課題、改善点が明確になった。(キューバ)

●帯広は、街全体がとても綺麗。庭や沿道に花を植えて、市民が主体的に美しい街並みを作ろうとしている姿勢がうかがえた。(ベトナム)

●バスや道端で日本語が分からない私たちに、親切に対応してくれる帯広の人々の優しさに感銘を受けた。(スリランカ)

今回の研修での学び、帯広市での滞在は、多くの研修員にとって得難い経験となったようです。
帰国後のご活躍を祈念しています。

街と自然との調和を目指した帯広の都市公園を視察

街と自然との調和を目指した帯広の都市公園を視察

アクションプラン発表会の様子

アクションプラン発表会の様子

修了証書を手に記念撮影

修了証書を手に記念撮影

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