【本邦招へい】十勝の技術でウクライナの農業復興へ

2023.07.19

十勝の次世代農業システムの取り組みを視察

2023年7月17~18日に、ウクライナの農業の復興に役立てるべく、農業政策食糧省や灌漑水産庁等から8名を日本に招へいし、十勝のバイオガスプラントやITを活用した農業先進技術、循環型農業を視察しました。

ノベルズグループの(株)御影バイオエナジーのバイオガスプラント施設(清水町)では、乳牛3000頭分に相当する240トンの糞尿を発酵させて出たメタンガスにより一般家庭1000世帯分の発電をしています。現場では、糞尿が運び込まれてから、発酵させたガスによって発電し、その残渣を液肥や牛舎の敷き藁として再利用するサイクルを興味深く視察しました。
実は、ヨーロッパ最大のバイオマス発電所を持つウクライナ。参加者からは、プラント施設の資金調達、収益、費用回収等のコストや、従業員数や給与、技術者等の人事、プラント施設の容量と糞尿供給する牛の頭数管理とのバランス、施設設置にかかる近隣への対策など、多岐にわたる質問が出されました。

JA帯広かわにし(帯広市)では、十勝地域の農業、畑地灌漑の整備、そして圃場に設置したITセンサーで収集した環境データやアプリで入力した栽培記録等をもとに最適な栽培方法を提案する農業AIブレーン「e-kakashi」(サービス提供:ソフトバンク株式会社)の説明を受けました。
参加者たちからは、e-kakashiの設置圃場を前に、e-kakashiの費用や収集されたデータの所有権や共有範囲、データ活用による収量効果、そして今後の展開など、途絶えることなく質問がだされました。

参加者を代表して、ウクライナ農業政策食料省のオリガ・パジニッチ農業資源管理部長「戦争で破壊された農地や灌漑施設を復興するとともに、今後はより効率的に収穫向上を図ることが課題で、今回得た情報をウクライナの農業復興に役立てたい」と述べました。また「十勝は空気も美味しく、道の両脇に大きな畑がある景色もウクライナに非常に似ており、故郷を思い出しました」と、親しみを持って話されていました。

今回の視察が、ウクライナの農業の戦後復興に役立つとともに、風景も産業も似ている十勝とウクライナのつながりの第一歩になることを祈念しています。

バイオガスプラント施設の見学を行いました

バイオガスプラント施設の見学を行いました

プレス取材を受けるオリガ部長

プレス取材を受けるオリガ部長

農業AIブレーン「e-kakashi」を体験

農業AIブレーン「e-kakashi」を体験

農業AIブレーン「e-kakashi」を体験

農業AIブレーン「e-kakashi」を体験

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