【開発教育】2023年度JICA北海道教師海外研修キルギス現地研修が無事終了しました

2024.02.19

今年度から海外研修が再開しました!

教師海外研修では、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある教員が国内及び現地での研修を通して、キルギスの現状と課題、日本との関係、国際協力の意義などについて理解を深め、その知見をもとに教材を作成し、所属校で授業を実践します。
コロナ禍で2020年度は中止、その後2年間は国内のみで研修を実施していましたが、2023年12月24~28日、4年ぶりにキルギスで現地研修を実施しました。その時の様子をレポートします。

現地研修1日目

キルギス人も食べる派と食べない派に分かれている「食べられる土」

キルギス人も食べる派と食べない派に分かれている「食べられる土」

現地研修1日目は、首都ビシュケク市民の生活を支えるオシュ・バザールを中心に視察しました。食料だけでなく、衣服や民族楽器までなんでも揃うバザールで「これは何だろう?生徒に見せたいなぁ」「教材として使ったら面白い授業になるかも」「こんなの日本で手に入らない!」と爆買いする先生方もいました。
チーズだと思って買った物が「食べられる土」だったという後日談もあります(笑)

キルギス語でコミュニケーションを取る協力隊員(右)と参加教員(中央)

キルギス語でコミュニケーションを取る協力隊員(右)と参加教員(中央)

バザールを案内してくれたのは、現在活躍中のJICA海外協力隊員。キルギス語で現地の方々とコミュニケーションを取る隊員の姿が印象的でした。
そんな彼らの姿に心を打たれた教師海外研修の先生方。日本から丸一日以上かけて移動したため疲労も相当でしたが、現地の様子や文化だけでなく、人の温かさにも触れた一日となりました。

現地研修2日目

原口専門家によるOVOPのプレゼンテーションの様子

原口専門家によるOVOPのプレゼンテーションの様子

まず、OVOP(一村一品)センター訪問からスタート。特産品づくりによる様々な課題解決の全体像について原口明久専門家から説明を受けました。
次に、中島大理専門家からキルギスの食と健康についての現状と課題について話を聞き、国立循環器治療センターを訪問。副院長がセンターを案内し、実際に使用されている医療機器を見ながらキルギスの医療の現状と各国からの支援について説明を聞きました。

川合隊員による英語の授業後の一枚

川合隊員による英語の授業後の一枚

そして午後からは、いよいよ一つ目の学校訪問!ビシュケク第24番学校に行きました。この学校では、川合孝弥隊員と浅羽泰貴隊員が青少年活動を展開中です。先生方は現地の生徒によるキルギスの伝統的な歌やダンスで熱烈な歓迎を受けました。川合隊員は民族楽器「コムズ」で演奏し、浅羽隊員は現地語の歌を披露し、現地に完全に溶け込んでいました!授業を参観させてもらった後、生徒・先生たちとの意見交換の時間もあり、学びが盛りだくさんの一日でした。

現地研修3日目

羊毛フェルトを使ってスリッパを作っている現地の女性たち

羊毛フェルトを使ってスリッパを作っている現地の女性たち

現地3日目は、首都ビシュケクを離れ、郊外のOVOP(一村一品)ワークショップの視察からスタート。特産品づくりの現場にて、社会進出に一歩踏み出した生産者の女性たちからの生の声を聞かせていただきました。
羊毛を使った工芸品を「これを使う人はどんな人だろう。きっと幸せ者ね。」と考えながら作っていると教えてくれました。
教師海外研修に参加した先生をはじめ、同行したJICAスタッフも羊毛工芸品をたくさんお土産に買い、「幸せ者」になりました!

ユルタの中にいたら、ペットのワンちゃんも入ってきました!

ユルタの中にいたら、ペットのワンちゃんも入ってきました!

午後はクズルトゥー村の民家で、食文化を体験しました。レストランのメニューではなく、キルギスの食卓ではどんなものが食べられているのかを知る貴重な機会になりました。食後は、キルギスの伝統的な住居のユルタの制作体験も行いました。1時間ちょっとで完成したユルタ。簡単そうに組み立てていたけど、慣れていない人が作ると4時間以上かかります。ユルタの中は快適で、気に入ってミニユルタを購入した先生もいました。

現地研修4日目

原隊員と生徒のみんなで集合写真

原隊員と生徒のみんなで集合写真

現地4日目のメインは、高度1800mのコチコルのアラバエフ学校へ訪問しました。おもてなしの国キルギスならではの熱烈歓迎を受け、原さやか隊員による英語の授業を見学しました。また、教師海外研修の先生方がキルギス訪問までにそれぞれ練習を重ねてきた出し物で子どもたちと交流しました。

ブラナの塔をドローンで撮影

ブラナの塔をドローンで撮影

その後、都市部に帰る前に2014年に登録された世界遺産構成遺跡「ブラナの塔」を視察しました。
急な階段を上って塔の上に到着。そこから見えるのは壮観なシルクロードの眺め。JICAスタッフのドローンで写真を撮りました!キルギスのはるか昔の様子に思いを馳せ、この日は首都ビシュケクに戻りました。

現地研修5日目

キルギス天才日本学校の生徒たちと

キルギス天才日本学校の生徒たちと

午前はキルギス天才日本学校を訪れました。
質の高い教育内容もさることながら、給食や掃除などの日本の学校のシステムを取り入れたり、日本語を幼稚園の頃から学び続けられたり。将来的に海外を目指す子やキルギスに貢献したいと願う子たちが熱心に学んでいる姿が印象的でした。ここでは普段子どもたちが食べているおいしい給食も体験させてもらいました。

ハウスで色々な植物の研究を行っていました

ハウスで色々な植物の研究を行っていました

午後からはJICA草の根技術協力の有機農業プロジェクトに取り組むキルギス農業大学の視察に行きました。
有機農業プロジェクトは、帯広の企業であるバイオマスリサーチが実施しており、長年有機肥料作りのノウハウをキルギスの学生たちと研究しています。視察では、有機肥料作りの現場やビニールハウスでの比較実験の様子など見せていただきました。
続いて、十勝地域の士幌町が行う実践的な農業教育に関する草の根技術協力事業の相手方であるキルギス農業大学付属カレッジを視察しました。士幌町を訪問し、士幌高校生との地場産品を生かした商品開発交流を終えて間もない現地の学生たちと会い、キルギスの産業課題や将来の展望などについて意見交換しました。以前、士幌町でも出会った学生たちとの再会は心温まる時間でした。
最後に、この現地研修の総括としてJICAキルギス事務所を訪れ、参加者一人一人の今回の収穫や授業構想について報告しました。

残すは「子どもたちへ伝える」授業づくり!

派遣前研修・キルギス現地研修が終わり、次は派遣後研修です。現在、教師海外研修の先生方はキルギスで得た経験・素材を元に授業づくりを行っています!
アドバイザーの指導の下、授業の検討会や所属校での授業実践、成果報告会を開催します。

成果報告会では、それぞれの先生がつくりあげた授業を発表・体験できる場であり、教員以外のご参加も歓迎ですので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

成果報告会(2/24オンラインで開催)の詳細、お申込みはイベントページに掲載しています。
https://www.jica.go.jp/domestic/obihiro/information/event/1531206_23958.html

アラトー広場で集合写真

アラトー広場で集合写真

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