【JICA海外協力隊】「人生なんて きっかけひとつ。」ボランティア体験談~中山舞子さん(モザンビーク)編~
2024.03.04
道東地域にゆかりのあるJICA海外協力隊経験者の皆さんにボランティア体験談をお伺いしました。(全3回)
第1弾は、十勝の上士幌町での派遣前特別訓練を経て、南部アフリカのモザンビークへ派遣された中山舞子さんです。
【中山舞子さんプロフィール】
出身地 :千葉県
派遣先 :モザンビーク共和国 マニッサ州マニッサ郡
配属先 :マニッサ郡経済活動事務所
職 種 :経営管理隊員
活動内容:現地の起業家の支援、ビジネスプランやマーケティングセミナーの開催、中小企業支援 企業診断やサポート、マニッサ産プロダクトのプロモーション
派遣期間:2021年~2023年
大学では国際教養学部に通っていて、学生の頃から海外への関心がありました。外資系の国際物流関係の企業に就職し、英語を使って働いていました。
5年ほど社会人経験を積み、今後のキャリアについて考えていたころにJICA海外協力隊の広告を見て応募を決意しました。
町民の皆さんと長芋団子作り
2020年のはじめにJICA海外協力隊に合格しましたが、COVID-19パンデミックが起こり、待機となってしまいました。
待機中に、派遣前特別訓練(現:JICAグローカルプログラム)という任意の訓練があることを知り、希望をしたところ上士幌町へ行くことになったのが道東地域とのつながりのキッカケです。
その後、2020年9月から2021年2月の5ヶ月間、派遣前特別訓練にて上士幌町でまちづくり会社のお手伝いをしました。
牧場でのお手伝いの様子
同時に着任した訓練生の仲間と、自分たちがやりたいことと地域が自分たちに望んでいることを何度も何度もすり合わせ、「町の困っている人たちに対して自分たちができることをやろう」と決め、スマホの使い方講座や雪かきのアルバイトなど、いろんなことをやりました。
上士幌町の方たちがすごくいい方で、私たちの活動をたいへん喜んでくれました。帰国後、久しぶりに上士幌町へ伺ったときも、「あの時はありがとう」などと声をかけてくださいました。
私たちが活動してきたことは、今でもまちづくりに活かされているようで、上士幌町で活動することができて、とても良かったと思っています。今では第二の故郷だと思っています。
開発した商品
当初は、インドへの派遣予定で、派遣前訓練が始まることになりましたが、COVID-19の影響でインドへの派遣が難しくなり、急きょモザンビークへの派遣に変更になりました。モザンビークでは、首都から70km、乗り合いバスで2時間ほどの距離のマニッサ郡という地域で活動していました。
マニッサ郡経済活動事務所という、地域の方の経済活動や農業・林業・漁業等の事業推進をする会社に配属され、起業家支援、マーケティングセミナーの開催、マニッサ産製品のプロモーションなどを行っていました。
現地の方たちの新たな繋がりを作ったり、様々なフェアに出展し客層を広げたりすることで、若年層の起業家の方々のモチベーションが上がり、仕事をすることを楽しいと思う人が増えたのは、目に見えて現地が良くなった変化だと感じました。
大好きなモザンビークの郷土料理「モタパ」
モザンビークの人たちは、日本人の私と考え方や価値観も違い、自分がいいと思ったものが彼らにとってもいいとは限らないということを学びました。
例えば、食べ物について、日本では新しいものや珍しいものに関心がある人も多いですが、モザンビークの人々は、食に対して保守的な傾向があるため、新しいものを作っても全然売れなくて驚きました。
派遣前はアフリカに対してネガティブなイメージがありましたが、モザンビークに行ってみて、その考えが変わりました。
みんな明るく、優しく、家族のように接してくれ、みんなが幸せで生き生きと今を全力で生きているのを目の当たりにし、日本人はそのようなエネルギーを忘れかけている気がしました。
今、応募を迷っている人がいれば絶対に行った方がいいです。JICA海外協力隊でないとできない経験があると断言できます。
私は、JICA海外協力隊での経験が今後の人生に主軸になっていくと思います。
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