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【草の根技術協力事業】ベトナム小規模農家の販路多角化プロジェクト、初めて契約栽培に挑戦!

2024.05.20

幕別町×ベトナム 事業開始から1年後の現在をお伝えします!

一般社団法人北海道ホープランドベトナム交流協議会(以下、交流協議会)は、JICA草の根技術協力事業「ベトナム国ラムドン省における小規模農家による市場ニーズに対応した販路多角化プロジェクト」を2023年4月より実施しています。本事業は現地のクウォックヴィエト経済技術専門学校(以下、クウォックヴィエト専門学校)をパートナーとし、ベトナムの小規模農家が安定した収入を得るための教育の場を整えることを目標としています。

事業活動地となる中部高原地方のラムドン省は標高が高く、省都ダラットは避暑地として人気の観光地です。そのダラット市に隣接するドゥクチョン郡は農業が盛んな地域ですが、同地域の小規模農家は農産物を中間業者経由で市場に卸すことが一般的です。そのため、農家は農産物の市場動向を知らず、中間業者が設定した低価格で出荷するため、所得が低い状況にあります。

本事業においては、現地のクウォックヴィエト専門学校において「販路多角化実践コース」を整備し、授業や実習を通じて、交流協議会の持つ技術やノウハウを農家に伝授すること、農家が販路多角化を実践することを目指しています。

雨季収穫に向けて植えられたカボチャ

販路多角化の1つが契約栽培による販売です。
ある農家は、昨年12月から、これまで栽培経験のないニホンカボチャの契約販売に挑戦しました。あらかじめ買取価格を知らされることは、農家にとって大きなモチベーションになったようです。また、ベトナムの品種とは異なるニホンカボチャの栽培技術については、クウォックヴィエト専門学校の指導を受けました。今年3月には農家にとって初めてのニホンカボチャの収穫が無事に行われました。一定水準に達したニホンカボチャを全量買い取ってもらえたことが、農家には大きな自信になったようです。今後はさらに栽培技術を高めて収穫量を増やしたいと、笑顔を見せていました。
ベトナムではこれから雨季を迎えます。雨季のカボチャ栽培は技術的に難しいものの、より高い取引価格が期待できます。
今回初めてニホンカボチャの栽培に取り組んだ農家は、雨季の6月の収穫に向け、3月から再度ニホンカボチャの栽培を開始しています。

3月に収穫したカボチャ

ラムドン省は茶葉やコーヒー、野菜、花卉などの生産が盛んな地域です。
本事業に参画する現地の団体「ホープランドベトナム」では、カボチャも含めた日本種の野菜、コーヒーなどの栽培に力を入れています。今後も引き続きより多くのドゥクチョン郡の小規模農家が本事業へ参画し、このような農業の知見・経験が継承され、販路多角化が実現されることを目指していきます。

産業廃棄物を利用して作った堆肥

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