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【研修事業】阿寒の森林管理と地域経済振興の取組みをインドへ

2024.08.15

「自然は人間が保護するものではない。人間が自然の保護を受けている」

 2024年7月25日から実施しているインド国別研修「持続的森林管理及び統合的流域管理(担当クラス)」では、インド国内各州政府の森林管理官ら12名が来日し、自然観光資源を高めるための森林の管理方法や、森林が沿岸漁業に与えるメリットと地域振興への貢献などについて、事例を通じて学んでいます。

 8月1日は、阿寒の森の復元に取り組んでいる前田一歩園財団の森林管理方法と地域経済振興について講義を受けました。前田一歩園財団は「自然は『人間が保護するもの』ではなく、私たち『人間が自然の保護を受けている』」という理念の下、開発と環境保全を両立させることで地域経済を成り立たせるための様々な取り組みを実践しています。
 講義の後は財団が所有する森林に案内いただき、伐採木の選定基準や、シカの被害と対策など、森づくりの実例を紹介いただきました。

 研修員からは、借地料や森林内の源泉から各宿泊施設が利用する温泉の使用料、補助金などの費用面、保護区内の土地の使用に関する国の規制と所有者の権利、また森林資源の活用と生態系とのバランス等について質問が挙がりました。
 最後に研修員から、「素晴らしい森を見ながら管理方法から考え方まで学ぶことができました。温泉などの資源を活用しながら森を育て、自然を守るという取り組みは、インドの各地でも活かせると思います」とのコメントがありました。

 100年以上も前の初代前田正名氏の「この山は、伐る山から観る山にすべきである」との考えを今日まで継承し、森林を保全しながら自然資源を観光に活用し、得た収入を森林の保全に活用するという経済の循環を実現した財団の取り組みが、研修員それぞれの活動地において持続可能な森づくりを考える上でのヒントとなることを願っています。

財団が管理するスキー場から阿寒湖を望む

森林の管理方法について熱心に説明を聞く研修員

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