jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【研修コース】小規模農家の生計向上のための持続的な畜産バリューチェーンの構築研修が終了

2024.08.19

十勝の事例を中心に畜産物バリューチェーンを学ぶ

本研修は、畜産物バリューチェーン(付加価値を生み出す生産、加工、流通のプロセス)を分析し、市場機会の拡大につながる畜産物の生産技術向上や新たなバリューチェーンの構築を立案できる人材の育成を目的としています。

8カ国(エリトリア、キルギス、マダガスカル、マリ、モーリタニア、モンゴル、ナミビア、パキスタン)から8名の研修員が参加し、来日前の2024年5月28日から6月5日の1週間は、オンラインでバリューチェーンの基本的な知識を学んだ後、6月27日から7月31日の約1か月間、主に十勝で研修を行いました。

研修は講義と視察で構成され、講義では畜産物バリューチェーンの分析手法や、農業協同組合(JA)の役割、生産者と消費者をつなぐ取り組み等を学びました。また、視察では生産現場である農場や牧場、生産を支えるJAや今年度新たに追加したバイオガスプラント(家畜ふん尿等を発電に変換する施設)の視察、加工製造するチーズ工房や乳業メーカー、販売を行う道の駅などを訪問しました。

バリューチェーン分析の講義

足寄の牧場視察

学びと経験を母国の畜産物バリューチェーン発展につなぐ

研修の最後には、研修で学んだことを踏まえ、自国の畜産物バリューチェーンの特徴をまとめ、課題と望ましい解決案について発表しました。

研修員からは、
「生産現場だけでなく、加工や市場まで全般的なバリューチェーンを学ぶことができた」
「日本の経験や戦略を学び、自国の課題が何かわかった」
「特に農業協同組合(JA)や道の駅の取り組みは自国でも活用したい」
「身近な副産物を使うことで飼料コストを下げたり、組合をつくり生乳輸送コストを下げたりするなど、自国でも工夫できることが見つかった」
といった意見のほか、協力いただいた関係者への感謝、仲間への感謝の声も多く寄せられました。

研修外では、日本語の学習や茶会への参加、JICA北海道(帯広)及び森の交流館・十勝で実施した国際交流イベント「世界のともだち2024」にも参加し、日本文化理解も深めていました。

閉講式では、研修員から研修風景の写真を音楽付きで振り返るビデオ上映のプレゼントがあり、この研修を通して、多くの学びと出会いがあったことをあらためて思い返すことができました。

今回の研修での学びが、各国のよりよいバリューチェーン構築につながることを願っています。

十勝ヒルズでの講義

閉講式の様子

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ